これって変ですか?

03


 刺激の度に、ひくひくと痙攣みたいに勝手に動くのが分かる。

 ぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃっ
「んっんっんっんっ…!」

 声が抑えられない。
 腰が、股間が、下腹が、甘く痺れて止まらない。頭の芯が溶けていく。

「先生、ほんとえっちな躯になったよね…おしり舐められるだけでギンギンだよ。前は半勃ち程度だったのにさ」
「ンッ」

 後藤が俺の性器を握ってゆさゆさと振る。たったそれだけで、先端から先走りが溢れたのが分かった。
 つるりとした亀頭に、後藤の指の腹がその粘液を塗り拡げる。ヌルついた指の刺激が堪らなくて、俺はつい背を逸らして喘ぐ。

「ぁ…っ、は…っ、は、は…っ」
「出したい? 先生。いっぱい扱いて射精させてあげようか?」
「…っ!」

 後藤が直接的な言葉を使うのは、俺を辱めるとき。つまり、碌でもないことしか考えていないときだ。

 ぎ、とベッドみたいな軋みをあげる車内で、後藤は顔を寄せるように覆い被さる。


「ねぇ先生、アナニーって知ってる?」


「ぁ…?」

 純粋に分からなくて、目を瞬く。後藤はにやりと至近距離で笑った。

「おしりの孔に、自分の指とか玩具挿れてするオ○ニーのこと」
「っ!? し、しないぞ…っ!?」

 本当に碌でもなかった。
 咄嗟に拒否すると、後藤は目に見えてしゅんと落胆した。

「えー、俺青木先生のアナニー見たいなぁ。…まあ、お願いだからいいけどね、してくれなくても」

『ぁんっ! ぁんっ! ぁっぁっぁっ! ゃだ、ごと、ごとぉ…っ!』

 後藤が操作した携帯から、突然俺の嬌声が流れ出す。もちろん、音声だけじゃないだろう。画面が見えないが、確実にこれは動画だ。
 …いつのものかも分からないくらい、大量に撮られたハメ撮り動画のうちのひとつだ。

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