ガマンできないっ

05



「せんせぇ、質問なんですけど」
「っ、」

 一番後ろの席で、のろのろと笠原が手を上げる。「このときのぉ…」稔が許可するまでもなく立ち上がり、教科書の場所を伝える彼の声音が、腰に響く。

『古場先生のケツマ○コ、トロットロだよ、ほら…俺の指、3本も咥えてる』
『バイブ挿れるよ、力抜いて…あー、気持ちいいね、せんせ? えっろいカオ…』
『まだおしっこは大丈夫そうかな。授業中に限界になると思うから、頑張って我慢してね。ま、もしみんなの前で漏らしてもちゃあんと俺がキレイにしてあげるよ』

 こんな風にさ。
 そう言って、籠に包まれたペ○スの、唯一開放された亀頭部。そのスリットに、ぬるりと。熱い、濡れた、舌が。

 かあっと熱が上がると同時に、向けられる生徒達の視線が突き刺さる。



(ぁ、いやだ…っ、も、もう…ッ漏れるぅ…っ!)


「〜〜っ…!」

 キーンコーンカーンコーン…

 しょろしょろしょろしょろしょろ…っ



 咄嗟に教科書を確認するふりで俯き、顔を隠す。教卓の陰で脚が震える。
 縛められている所為なのか、それとも単に量が多いのか、尿道を駆け上がった熱は普段よりもずっと長く長く排泄に時間を要し、溢れ出しはしないかという恐怖に震えながらも、やっと解放された安堵に力が抜けていく。

「…ん…く…」

 生徒の声を聞きながら、公衆の面前で排尿している。その事実が稔を叩きのめす。

 しょろしょろしょろ、…

「…ってことで、いいですか? 古場せんせ?」
「は、はい…それで、間違いない、です…」

 そのあと、どうやって授業を締めくくったのか、覚えていない。
 逃げ出すように教室を飛び出し、含んだ尿で重くなったオムツをなんとかしたくて──下着は笠原に取り上げられたままなのでどうしようもないということにも気付かないまま──気付いたときには稔は日本史教員室前のトイレの個室に居た。

 追いかけてきた、笠原と共に。

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