ガマンできないっ

02


 そして1週間後の3限前の、休み時間。

 相も変わらずなぜか養護教諭は居ないままで、勝手に笠原はコーヒーを淹れた。
 それを飲みつつ素直に日本史の話をしていたらあっという間にチャイムが鳴った。

「いけない。笠原君、引き止めてすみませんでした、早く教室に──」
「うん、良い頃合だ」

 はたり、顔を上げたとき。しゅる、と腕に巻かれた、ガムテープのようなもの。
 咄嗟に力を籠めるが、全く動かない。なんだ、これ。

「笠は──」

 慌てて立ち上がろうとした稔の動きを知っていたかのように、そのままぐいと腕を引っ張られて、ベッド柵へと更にテープでくくりつけられた。

「っ!? か、笠原君! これは、」

 ぎし、ぎしぃっ、と柵が鳴く。柵は低いから、前のめりに身を屈めて誰も居ないベッドを覗き込むような形になる。

 授業の始まった学び舎は静かで、柵の軋む音と、そして笠原が淡々と作業のように稔のベルトのバックルを外し、下着ごとスラックスをずり下ろす音が嫌に大きく聞こえる。
 もちろん暴れたが、両手を縛められた状況にまだ脳が適応できない。
 あっさりと下半身を丸出しにされて、青褪める稔に関係なく、笠原は銀色のなんだかよく判らない器具を取り出した。それを、稔のペ○スに取り付け──鍵を掛けた。

「お、おい!?」
「あは。素が出たね、古場先生」

 当然勃ちもしていない稔のペ○スが、金属製の籠状のケースの中に仕舞われる形。冷たい感触に震えると同時に、下腹に募る違和感に居心地が悪い。
 それでも稔に構わずさくさくと靴とスラックスを脱がせ、下着さえも引き抜いて、笠原は嬉しそうに笑う。


「あのさ、古場先生。俺、なんで先生の授業出らんないのかと思ったらさ、先生のエッチでカワイーとこ妄想しちゃってなーんにも頭に入って来ないからだって気付いたんだよねぇ」


「は、はい…?」


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