既に駄目です

09


 

「かわいいよ、先生。本当に、――愛してる」


 かちん。

 ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴっ
 ヴぃーん、ヴぃーん、ヴぃーん、

「んんぅうぅッ!」

 ぐんっ、と性器が一気に吃立して、リングによって締めつけられる。狂おしいまでの快感だけが躯中を駆け巡り、俺はまさしく身悶えた。

「んんぅぅ、あぁ、あぁあっ、あぁ、ご、ごとぉ…っ!」

 いつものイきまくりも死ねるが、イけないのもつらい。つら過ぎる。
 ぞくぞくぞく、と快感が欲求になって、出口の無いまま体内を暴れ回り、目の前が弾ける。

 イきたくってイけなくって腰を振りたくる俺の躯を起こすと、ソファに座った後藤は膝の上に俺をまたがらせて抱き締め、キスをした。

「ぁんぅぅうう…っ」
「先生、舌出して」
「ぁ、ふ…は、はぁっ…」

 それどころじゃない俺は、それでも懸命に後藤に従った。濡れた舌を、ちゅっと後藤が吸い上げる。
 その音が妙にいやらしくて、思わず腰を引いた途端、ローターが更に奥のシコリを押し潰して震わせた。

「ひゃっ?! あっ、だ、だめ、だめだごと…ッ! ぃ、イっ…!」


 イく。


 そう思った途端、がちん、という乱暴な音と同時に、ローターとバイブの震動が完全に沈黙した。

「ひ…、ん、ン…っ、ぁ、あァ…っ」

 はぁはぁと犬のように舌を出したまま、俺は突然なくなった刺激を求めて躯を波打たせる。

 イけなかった。いや、恐らく堰止められている以上、あれはまた、『空イき』の感覚だったに違いない。だが。

「だめ。イかせないよ、先生。空イきもだめ」
「そ、な…。ご、後藤…気、狂う…」
「狂って。はい先生、キス」

 きっぱりと言い捨てて、後藤は俺を抱き寄せる。

 ア○ルに玩具を咥え込ませたまま。肉壁を熱く疼かせたまま。そんなことを言ってくる後藤。


 俺は。



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