既に駄目です

05


 
「ぇ、あ、ち、ちが、物足りないとか、そんなじゃ、」
「そっか、判った。先生、岩永とはまだヤってないんだね。これからヤってもらおうと思って、肩触ったり、教室出てからも見つめたりしてたんだ。誘惑してたんだね。ああそっか、それで『募集中』か」
「っな、わけ、」
「えっちな先生にはお仕置きしなきゃね? 俺以外には目がいかなくなるくらい、満たしてあげるよ」

 下衣を剥ぎ取られ、夕暮れのリビングでYシャツを羽織っただけの姿にされた俺は、後藤に命じられるまま、ソファの上で膝立ちになり、その背に上体を預ける状態になる。
 もちろん拒んだのだが、当然のように後藤は聞く耳を持たず、最終的には、

「ねえ先生。こないだ先生がうちに来てくれたときのビデオ、流そうか? 自分のえっちな声聞きながら、する?」

 なんて、囁かれ。そんなこと許容できるはずもなく。俺は、後藤に従うしかなかった。
 こんなはしたない恰好の俺と、一切服の乱れがない後藤。それだけで、もう、俺には判ってしまう。後藤にただの性交だけで終らせるつもりがないことが。

「っ、」

 いきなりぐいと両手を背後に引かれて、痛みに息を呑んだとき、


 かち、かちちっ、


 という軽い金属音と、手首に触れた冷たさに、俺は更に息を呑んだ。

 恐くて振り返りたくない。全身の血の気が引く。
 くすりと、後藤が小さく笑う。

「俺がちゃんと満足させてあげるね、先生」

 ちゃら、と鳴る、鎖。
 手錠。

 あの初めの1回以来、後藤に拘束されたことはなかった。俺はどうせ、脅されている以上、逃げることなどなかったから。

 なのに。

「な、なんで…」
「なんでだと思う?」

 俺の問いをはぐらかし、後藤は背後でなにやらごそごそしている。
 全身を強張らせる俺の尻がいきなりむに、と開かれたかと思うと、ア○ルになにか冷たいヌルヌルするものが塗り込められた。ローションだろうか。

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