in 【音楽室】

山本 海の場合 2


 人工的な金色の髪に、そして項に、海はそっと口付けを落とす。

「ぎゃっ?!」
「渉くん…全身で、俺を感じて?」

 するりとシャツをめくり上げ、中のTシャツの内側まで手を潜らせる。肌に触れると、ビクリと渉の肩が跳ねた。

「か、海?」
「なぁに?」

 ふぅ、と耳に息を吹き込む。ぞわぞわっ、と渉の首筋に鳥肌が立つのがよく判った。

「あはは、素直過ぎてなんか傷つく反応だね」
「ばっ…! ふ、ざけ…ッ!」
「ふざけてなんかない。ねぇ渉くん。…俺以外を見ないで」
「はぁ? ぁっ、」

 まだ柔らかな乳首に触れると、ふるふると渉が震える。きゅっと摘まむとぴくんと跳ねる。指への感触が、徐々に硬くしこり始めた。

「可愛い…乳首感じちゃう?」
「莫迦、言うな…っ、お前の手が、冷たい、から…っ」
「そっか。ごめんね?」

 ぎりぎりと全力でもがく渉の手を片手で押さえるのは、なかなか難しい。
 仕方なく海は渉の股間をそっと撫でた。

「ッぎゃあ! どっどこ触ってんだッ…!」

 思わずという様子で内股になる渉の、一瞬意識が緩んだ手首に手早くタイを巻いて拘束する。

 目隠しに後ろ手で拘束された、愛しい想いびと。
 海の中で渉に関わる全ての人間に対する、優越感が生まれた。

 ようやく自由になった両手で、後ろから抱き締めながら乳首をいじり、股間を撫で回す。

「や、やめろ…っ、海、おま、調子、のんな…っ」


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