in 【屋上】

秋山 汐の場合 7


 

(え…? お、俺)

 何をした?


 友人を全裸に剥いて、縛って、言葉で辱めて、写真を撮って、素股して。

 汐の顔が、赤を通り越して青くなる。

「ご、ごめん冴!」

 すぐに手首の縛めを解き、冴の躯を濡らしたハンカチで拭いてやる。当然、自分の身なりも整える。



「…落ち着い、た?」

 少しして、冴が言った。汐は俯いた状態から、力なく肯く。
 けれど、そんな汐に、冴は笑ったようだった。

「ちょっと、びっくりしたし、恐かった、けど。イッたってことは、おれも、おあいこ、な?」
「――え?」

 驚いて顔を上げると、冴は困ったように笑った。

「でも、もう、やめてくれ、な」
「あ…あぁ…。ご、ごめん」

 懸命に忘れようとしている冴に、なんだかいたたまれなくなって、汐はカメラを掴んで立ち上がった。

 この気持ちがなんなのか、判らない。
 渦巻いて、胸が重い。


「ごめんな」


 もう一度呟くと、汐は屋上を後にした。



time goes by...

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