in 【屋上】 秋山 汐の場合 7 (え…? お、俺) 何をした? 友人を全裸に剥いて、縛って、言葉で辱めて、写真を撮って、素股して。 汐の顔が、赤を通り越して青くなる。 「ご、ごめん冴!」 すぐに手首の縛めを解き、冴の躯を濡らしたハンカチで拭いてやる。当然、自分の身なりも整える。 「…落ち着い、た?」 少しして、冴が言った。汐は俯いた状態から、力なく肯く。 けれど、そんな汐に、冴は笑ったようだった。 「ちょっと、びっくりしたし、恐かった、けど。イッたってことは、おれも、おあいこ、な?」 「――え?」 驚いて顔を上げると、冴は困ったように笑った。 「でも、もう、やめてくれ、な」 「あ…あぁ…。ご、ごめん」 懸命に忘れようとしている冴に、なんだかいたたまれなくなって、汐はカメラを掴んで立ち上がった。 この気持ちがなんなのか、判らない。 渦巻いて、胸が重い。 「ごめんな」 もう一度呟くと、汐は屋上を後にした。 time goes by... [*前] | [次#] /144 『頂き物』へ / >>TOP |