in 【教室】 本堂 和也の場合 2 何か失態を犯したのだろうと簡単に想像がつく。和也はにやにやと少年――恒太の肩を抱いた。 「どこのおそーじ?」 「ぇっ…?」 「俺も行く」 そう言うと、彼は絶望的な表情をしたあと、泣きそうになった。よほど大きな失敗でもしたのだろうか。 しぶる恒太を無理矢理に歩かせてその教室に辿り着いて、そして和也はその理由を知った。 全て開け放された窓。 そして床や机に散る、白濁。 「へーぇ?」 耳許でわざとからかうように言ってやると、恒太は可哀想なくらいに萎縮した。 「おーしまクンは変態ッスかぁ」 「ち、違っ…」 「何が違うんだか、学校でオナるなんて。しっかもこんなに飛ばして。どんだけ激しくシコったんスか?」 するすると恒太のネクタイに手を掛けて解くと、彼は青い顔で慌てて和也の顔を見上げた。 気にした様子もなく和也が作業を続けると、恐る恐るという感じで和也の手を恒太が掴む。 「ぁ、ぁ、ぁの、」 「ん、俺のことは和也先輩でいいッスよ?」 しゅるりとタイを抜き取ると、今度は確実に恒太は焦った。 「や、な、なにっ…やめ、やめて下さい、和也先輩っ…」 「うるせぇよ」 低い声で言うと、恒太はびくりと全身を強張らせる。和也はそれを好機と、恒太の両手を彼のタイを使い、頭上でしっかりと拘束した。 [*前] | [次#] /110 『頂き物』へ / >>TOP |