in 【教室】

本堂 和也の場合 1


※(拘束/亀頭攻/前立腺攻)

 ぱたぱたと慌てた様子で駆けて来る、いかにも素行の良さそうな小柄な少年の姿に、ふと目が止まった。

(…雑巾?)

 彼が手にしていたのは、放課後もだいぶ過ぎた時間にはあまり見かけないものだった。
 小動物のような少年の表情が、どこか煽るような艶を帯びているのも気にかかる。

「! っと、」

 駆けてきた少年が、丁度和也とすれ違いそうになったとき、どこかが急に痛んだのだろう、ぎくりと身体を強張らせてふらついて、和也とぶつかった。

「あっ、ご、ご、ごめんなさいっ…」

 少年は和也を見上げて、萎縮した。

 明るい茶色に染めた髪、左耳のピアス。タイはなく、シャツもだらしなく着崩している和也を、いわゆる『不良』だと判断したのだろう。
 和也にとっては慣れっこな視線だが、その妙におどおどした態度が、和也の嗜虐心に火を付けた。

「あん? なんスか、その態度?」
「ひっ…! ご、ごめんなさ…っ」

 肩を掴むと、過敏なまでに身体を震わせる。和也は目つきだけは鋭く、口許を吊り上げた。

「お名前は?」
「っ、お、大島、恒太、です…」
「おーしまクンね。これから何するんスかぁ?」
「そ、掃除、を…」
「こんな時間に、ねぇ?」


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