in 【教室】 伊武 秀一の場合 4 予想もしていなかったのだろう、恒太が咄嗟に振り向き、偶然秀一の唇が彼の鼻先に触れる。 「ぁっ、ごっごめんなさっ」 慌てて顔を背けて、手で鼻を押さえる恒太に、秀一は笑った。 そっとその手に自分の手を重ねて、彼の股間に導く。 彼のそこは、既にやんわりと膨らみかけていた。 「ゃ、や…先輩…っ」 「まだ元気ですね。イけるでしょう…? ねぇ、どんな風にやってたんです?」 「ど、どんな風になんて…」 「セックスしてたんじゃないなら、出来ますよね…?」 「っ!」 まさか、ね。そうまた耳に吹き込んでやると、恒太はすっかり俯いてしまう。 いっそ、実は無理矢理に犯されたんです、とでも言えばいいのに、憧れの先輩が忌避する『セックスした』という事実は、どうしても認められないらしい。 愚直で愛しい、可愛い後輩。 「ね、見せて下さい。いつも大島くんは、どんな風にしてるんですか…?」 「…っ、」 「恥ずかしがらないで…大丈夫、誰も来ませんよ」 嘘だ。 現にさっきも、秀一自身がたまたま通りかかって、恒太の痴態を目撃し、今に至るのだから。 きょろりと恒太が秀一を窺う。 「み、見ても…た、楽しくないです、よ…」 「そんなことないですよ。教室でひとりで致してしまうようなえっちな大島くんの一面が知れて、とても楽しいです」 [*前] | [次#] /110 『頂き物』へ / >>TOP |