in 【教室】

伊武 秀一の場合 1


※(自慰強制/挿入なし)

 彼のことは、可愛い後輩だと思っていた。

 書道部の2年下の後輩で、小柄な男の子。自分を見る眼の輝きから、何故だか彼が自分に憧れてくれていることがありありと伝わってくるような、そんな素直な男の子だ。

 慕ってくる子は可愛い。だが、それはもちろん、恋愛感情などではなく。
 そんなこと、考えたこともなかった。

 けれど、ふと通りかかった廊下に、およそ学び舎にはふさわしくない声が聞こえてきたとき、興味が湧いた。

 あんあんと女の子のような声を上げているのは、間違いなく彼、大島恒太だったから。

 1年生のその教室をそっと覗いてみると、床に寝た金色の髪の男の腰にまたがって揺さぶられている、白い肢体が目に入った。
 放課後とは言えども、大胆にもほどがある。
 けれどそんな彼の痴態に、妙な刺激を受けたのは間違いない。

 秀一はしばらくその様子を観察して、金色の髪の男が恒太の衣服を整えてなにかを囁き、出ていくまでを見送った。
 恒太は茫然と椅子に座ったまま、身動ぎもしない。騎乗位という体位から、和姦かと思っていたが、もしや強姦だったのだろうか。


 何気ない風を装って、秀一はその教室の扉を開いた。


 ゆるゆると視線を寄越した恒太の頬が、一瞬でぱっと赤らむ。

「あっ、いっ、伊武先輩ッ?!」

 立ち上がろうとした彼が、きっと腰が痛んだのだろう、中途半端なところで顔をしかめて、椅子に腰を落としてしまう。

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