in 【化学室】

小神 うずらの場合 1


※(尿道攻?/玩具/二輪挿し?/放置)

 気に入りのひとがいる。

 鼻歌交じりにうずらは化学室へ向かう。青いシャツに、淡い黄色のネクタイが躍る。
 暇さえあれば飲みに誘って、家に連れ込んだこともある――普通に終電で帰られてしまったが。

 とにかく彼に会いたくて、用事のないときはいつでも化学室に入り浸っては、機を狙っていた。
 大好きなあのひとをぐちゃぐちゃに犯してやる機会を。

「ひーろちゃんっ」

 上機嫌でいつも通りに化学室の扉を開くと、しゃがみ込んで割れたビーカーの処理をしていた想いびと、真尋が顔を上げた。

「あぁ…小神さん」
「だーから、うずら、って呼んでよ、ひろちゃん…」

 軽口を叩きながら近付いたうずらは、いつもとの違いにふと語尾をおろそかにしてしまった。

 ほんのり赤く染まった目尻は凶悪なまでに色っぽく、腰――下半身を庇って時折ぎくしゃくする動き。そして瞳に宿る、ほんの少しの怯え。

 都合のいい勘違いかもしれない。
 けれどうずらの中で完全にスイッチが入った。

 いつもの眠そうな目のまま、うずらは気付かない振りで真尋に近付き、彼の隣にしゃがみ込んだ。
 不思議そうに見てくる真尋に、にっこりと笑って白衣を引っ張る。

「割っちゃったのー? 珍しいね、ひろちゃん」
「あ、あぁ…ええ。あの、危ないですよ、小神さ」
「うーずーら」
「…うずら」

 真尋よりもうずらの方が年下であることも手伝って、こうして押せば真尋は応じてくれる。年下に慕われることに慣れた性格なのだろう。

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