in 【屋上】 椎葉 咲の場合 2 「お、おれ、おれ…っ、男と、せっくす、した…ッ」 「…」 それではただ単にカルチャーショックを受けただけのような印象を受ける。 襲われた、とか、奪われた、とか、犯された、とか。もっと被害意識のある言葉は選べないのか。 心の中で少し呆れた咲は、けれど顔には出さず、ペットボトルを差し出した。 「冴、落ち着いて。これ飲んで下さい」 「ひく、ぅ、っうん…」 与えられたジュースを、疑うこともなく冴は喉に流す。 その間もしっかりと抱き締めて、黒い柔らかな猫っ毛を撫で続けた。 がたがた震え続けていた冴の躯に、ヒク、と種類の違う震えが走る。その僅かな動きを、咲は見逃さない。 薄い笑みを浮かべて、咲は冴の頬をそっと撫でた。 「ん…、」 「んで? どうだった?」 「ふ、ぇ?」 突然口調が一変した咲を、冴はきょとんとして見上げてくる。 「冴が何も知んねぇから手ぇ出さないでいてやったけど、ヤられちまったんならもう、いいよな?」 「しょ、咲…?」 「男とヤって、どうだったっつってんだよ。なぁ?」 する、と肌に手を滑らせ、ぷくりと勃ち始めた乳首を撫でた。 「ひゃ、ぁ」 「イイ声。もっと聞かせろよ」 「ゃ、咲…ぁ、やっ…!」 腕の中の冴を逃さないようにがっちり抱き込みながら、咲は小さな乳首をチロチロと舐める。逆側のそれは、指先で摘まんだり転がしたりして遊ぶ。 冴は咲のカーディガンを握り締め、顔を真っ赤にしながら懸命に掌底で咲の肩を押すが、媚薬と快感で力が入らないらしい。ただただ咲の愛撫に悶えた。 [*前] | [次#] /144 『頂き物』へ / >>TOP |