in 【音楽室】

秋山 貢の場合 3


 おそらく彼は恐いのだ。さっきまで犯されて、相手がいないということは多分無理矢理で。

 かすかに震えながらも気丈にふるまい、貢の肩を押し返そうとする渉が、どうしようもなく、愛しかった。


「ぼ、ぼ、僕は、や、優しく、しますっ…!」

「は? ――ちょっ…!」


 性急に口付けると、歯が当たってしまった。慌てて距離を計り、ぬるりと舌を挿し込む。


(えっと…『口蓋をくすぐって』、『歯列をなぞって』…)


 シュミレーションはいくらでもしてきたが、実際にやるとなるとやはり違う。覚えた知識をフル動員して、貢は夢中になって渉の唇に吸いついた。


「ンン…っ」

 鼻に掛かったような渉の声が漏れる。

 ぞくぞくと、興奮した。


 胸を押してくる渉に構わず、彼のシャツの前を肌蹴け、Tシャツをまくり上げ、大量のキスマークを散らされた肌を撫でる。ビクリと渉の躯が震えた。

 その反応に、貢は嬉しくなる。


 渉が、貢の手に感じてくれている。


 ピアノの上の渉の躯に半ば乗りかかるようにして動きを制限しながら、貢は渉の下肢を覆う衣服も脱がせ始める。思ったよりも他人のベルトを外すというのは難しかった。

「ばっ! てめ、やめろ! 図に乗ンなよ…ッ!」

「だ、大丈夫です、き、き、気持ちよく、しますから…っ」

 慌てた口調で喚く渉に返事をしながらも、手は緩めない。


 渉のボクサーパンツを下げるときには、異様なくらいに興奮した。現れた萎えているそのペ○スにそっと手を伸ばし、カリ下までを覆う皮をいきなり剥き下ろす。


「ぅ! ぁ…っ、さ、触んな…ッ! やめろ、冗談ッ…!」

「ぁ…す、すごいです…ホントに可愛いピンク…。こ、こ、琴羽くんの、…お、おちんちん…」

「ッ! 見てんなよッ! 馬鹿じゃねぇのか…っ! やめろ、秋山ッ…!」



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