小説

受side 03


 
「っ?!」
「男に色々されてるとこなんて見たくないだろ? そのリングは、優しい俺からの贈り物。もしイきそうになったらち○こにはめるといい。つらくはなるけど、射精は堰き止められるから」

 なら、これさえ使えば、絶対に渉を助けられるということか。

「…あり、がとう」

 礼を言うのもおかしいとは思うが、俺はついそう言っていた。

「いえいえ。洗浄のときの様子からすると君、だいぶ感じやすいみたいだからさ」
「せんじょう…?」
「こっちの話」

 それから俺は抱き上げられて、場所を移された。

 どこに行くのか。
 何をされるのか。

 次第に不安が募ってきて、俺は手の中のリングをきつく握り締め、大丈夫だと必死に自分に言い聞かせた。

 渉を助けるためだ。大丈夫だ、イかなきゃいいんだ。これさえあれば、大丈夫だ。

 妙に大きな椅子に座らされ、腰をずらして、おそらく肘掛に膝から先を乗せられ。

――縛られた。…動けない。…逃げられ、ない。

 途端に恐怖がどっと押し寄せた。そもそも本当に『イかせるつもり』があるのだろうか? 俺達を解放する気が、あるのだろうか? 足りなかった考えが一気に噴出して、俺は自分の脚が震えるのが判った。

 目隠しされて、拘束されて、このまま、殺されてしまったら?

――渉…っ。

 助けて。ごめん、恐いよ。
 助ける。恐いけど、俺、お前だけでも、絶対、助けるから。

 ぐるぐると取り留めのない思考が渦巻いてパニックを引き起こす寸前の俺の、内腿を突然撫でる手があった。

「ひっ…」

 思わず悲鳴が漏れる。俯くが、相手の顔は当然目隠しに阻まれて見えない。

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