in 【屋上】

鈴木 翔の場合 5


 つらそうな吐息の下から、冴が問う。弄られ続けた所為で、衣服の下でペ○スはすっかり硬く勃ち上がり切っていた。

「どうかな…。どんな感じなの?」
「…乳首、熱くて…触られたら、びりびり、する…」

 時にノンケというのは、ゲイをガンガンに煽り立てることを平然と言う。

 完全にスイッチの入った翔は、にっこりと微笑みながら冴との距離を詰め、再び両手で乳輪をこね回し始めた。
 冴はまた目を瞑り、腕を口に当てて、給水塔に体重を預けて震える。

「っぅ、う…ッ」
「びりびりして、気持ち良くなっちゃう? こんなにして…どうしようか?」
「ど、ぅ、って…」
「どうして欲しい? 僕に言って、平木くん」

 翔はネコ役におねだりをさせるのが好きだ。むしろ行為におねだりは必須だと思っている。
 羞恥プレイとしておねだりを強要するのも大好物だ。

 涙に睫毛を濡らして、冴が翔を見る。

「…いい、です…自分、で」
「どうして欲しいか言ってくれたら、平木くんのこの『病気』、治してあげる」

 冴の言葉を遮って、にこにこと翔は言う。ぴくりと冴が反応して、「ほん、と…?」目を丸くした。
 そんなことが出来るわけはない。そもそもこれは病気などではないのだから。

「うん。だから、言って? どうしたくて、どうして欲しい?」
「…ん…」

 視線を落とす、冴。

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