混濁

08



***

 ちらりと時計を見る。既に、15分はこの細いバイブで遊糸を責め抜いているだろうか。
 橘は蕩け切った遊糸の目に満足気に微笑みながらも、バイブをしっかりと押し込む。

「ぅ、あ…っ、あ、ゃ、あ、あ…っ」

 遊糸の躯はガクガク震え、白い肌が赤く紅潮して、我が息子ながらとてつもなく淫靡だ。
 既に完全に勃起した遊糸の花芯からは透明な愛液が止まることなく溢れ続けて、亀頭が橘のシャツに擦れるたびにピクンと肩を震わせて逃げる。

 14年。
 正確に言うと、もっと長い時間かもしれない──そう、遊糸が生まれたときから。

 早季子のことは愛していた。
 けれど、遊糸を見た途端に、どうしようもなく欲情した。生まれたばかりの、赤ん坊に、だ。

 異常だと自分でも思った。抑えようとした。けれど早季子に気付かれて引き裂かれて、近くにいることが耐えられずに放浪した。
 それでも、思い出すのは遊糸のことばかりだった。

 14年。
 長かった。

 その愛しい我が子が、今、生まれたままの姿で、自分の腕の中で花芯を勃起させ、快感に涙を流しながら、悶えている。

「遊糸…あいしてる…」

 橘はゆっくりとスラックスのファスナーを開くと、すっかり猛った自らの花芯を取り出した。
 そして、遊糸の腰を抱き寄せ、ふたりの花芯を擦り合わせる。

「っあ、ぁ、あっ、ぅゃ、や、やっ…!」
「くっ…」

 色々な経験は積んで来た。遊糸以外の男だって抱いてきた。それなのに、ただ花芯が擦れ合っただけで、橘の全身に電撃が走る。
 遊糸の愛液で濡れた自分の亀頭に、たまらなく興奮した。

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