混濁 06 しゃくり上げる度に、下半身に埋め込まれた異物が躯の内側を擦って、遊糸はきつく目を瞑る。 遊糸の背をさすりながら、橘は「しかし…」と呟いた。 「本当に、だいぶ狭いみたいだねぇ、遊糸。君のおしりは」 「ッ、く、ゥ…」 「ゆっくりじわじわいかないと、つらいだろうなぁ」 まるで、洗濯をしたのに雨が降ってきたから部屋に干さないといけないなぁ、という程度の感慨で、橘はクイクイとバイブを押す。 「ぅあ、あッ、…あ、や…っ」 その度に躯の内側を掻き回されるような感覚に陥って、遊糸は全身を震わせて悶えた。 涙が止め処なく溢れて、呼吸をすることが精一杯だった。 「じゃあ、じわじわいこうか」 かち。 ヴィン、ヴィン、ヴィン… 「やぅううう…ッ! ぅあ、あああ…ッ、やめ、やめ…っひぅ…ッ、や、ら…やらぁ…ッ!」 緩やかな動きで、バイブの先端、男性器でいうカリの部分が、円を描くように動き始める。その動きは決して大きくはないが、決して自然には感じることのない動きだ。 呂律も回らないまま、遊糸はいつの間にか自由になっていた両手で橘のシャツを握り締める。腰が勝手にガクガク震える。 橘はバイブが抜けないように押さえ、遊糸の頭を撫で続けるだけ。 「遊糸、気持ちいいだろう?」 ヴィン、ヴィン、ヴィン… 「ひぅう…っ、ゃ、ら…あぅっ、ひっ、ひぅっ、」 「さぁ遊糸、舌を出して…」 重ねられる唇。 蕾からの刺激に翻弄されている遊糸は、吸われるままに舌を差し出して、されるがままにキスを貪られた。 [*前] | [次#] 『カゲロウ』目次へ / 品書へ |