混濁

05


 次第にうまく息が吸えなくなってきて、それでも橘の執拗な舌から逃れることが出来ず、遊糸はくらくらと現実味を失い始めた。
 見計らったように橘の唇が離れて、思わずくたりと遊糸は橘の胸に倒れ込み、

 ぬ、ぷぷっ…
「ッふ、ぅう゛ぅ──ッ?!」

 狭い蕾を、硬いものがぐりぐりと押し上げてくる感覚に、再び息をするのを忘れた。
 いくらローションを塗りたくられていたとしても、遊糸の蕾は必死で閉じようとしているのだから、それは──バイブは、なかなか奥へと進まない。

「ほら遊糸、息を吐いて。そう、落ち着いて」
「ぅんん…ッ、ぅうっ、んぅう…ッ」

 耐え難い違和感と痛みに、遊糸は涙を散らしながら首を振る。

 無理だ。女でもないのに、そんなものがそんなところに入るわけがない。
 入る、わけ、が。

「っあ、あ、ぁ、ああ…ッ」
「そうそう、きちんと息をして。ほら遊糸、入っていくよ。大丈夫、怖くないよ」

 躯の中に何かが入り込んで来る感覚。
 粘膜を有意に擦り上げられる感覚。

 ビクビクと全身を震わせ、夢中で遊糸は橘の肩にしがみつく。頭の中が真っ白になって、なにひとつ考えることなど出来なかった。




「よく頑張ったね、遊糸」

 永遠にも思える時間のあと、橘が言って遊糸の髪を撫でた。

 橘の片手は、排出しようと動く遊糸の直腸に抗うために、バイブを押さえつけたままだ。
 つまり、完全に遊糸の蕾は、卑猥な性玩具を飲み込んでしまったということだ。

「ぁぅ…あ…ん、く…ぅ…」


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