混濁

02



「お父さんと呼んでごらん? 遊糸。そうだな、パパ、でもいいな」
「ッ!」

 誰が、お前なんかを。そうは思うが、口には出せない。
 顔を引き攣らせて黙った遊糸に、橘はくつくつと笑ってみせた。

「まあ、それもおいおい、ね。先にたくさん気持ちイイことして、トロトロになろうな」
「と、トロトロ…? ひゃうんっ!」

 冷たいローションが双丘の谷間に塗りつけられる。
 それはねっとりとしていて、橘の手によって蕾から双球、花芯にまで伸ばされて、遊糸の毛のなくなった場所にまで塗り広げられた。

「ン…っ、ぅ…ん…」

 温かい手が敏感な場所をヌルヌル滑って、遊糸は思わず腰を揺らす。
 本当はその手から逃げたくてしているのに、まるで感じてしまっているかのようだと自分で思って、顔が赤くなる。

 くちゅ…くちゅッ…

「ッは…ぅ、ん…ゥ、…ッ」

 遊糸の股間が完全にローションに覆われても、橘は両手でそこを擦り、掌で揉むようにして刺激し続けた。
 次第に、遊糸は自分の躯の変化に気付く。

「ッん、…ふ…ぅ…、んッ、んッ」

 橘の指が蕾に触れる度に、ひくん、と躯が跳ねてしまうのだ。

──な、んで…っ?

 また何かを挿れられるのではないかという恐怖からだろうか。それとも粘膜であるソコが、単に自分は敏感なのだろうか。
 どちらにしても、喉から鼻にかけて抜ける細い声が出てしまうことが、恥ずかしくてたまらない。

「ふふ、判るかい、遊糸? 君のココ…ひくひくして、父さんを誘ってるよ…?」


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