悔恨と懐古

09


 見計らったように、キスされて、翻弄される。

「んふっ…、ん、は、ぁぅん…っ、ぁ、ぁむ、ぁん…っ」

 くちゅ…っ、ちゅ、ちゅるっ…

「…は…っ、は、む…んッ…ん、は、ぁ…っ」

 卑猥な水音と、自分の乱された呼吸の音だけが妙に耳につく。
 感覚が、既に麻痺し始めていることに遊糸は気付いていなかった。



 『これは仕方がないのだ』と。



 捻れ捩れて間違ったことを、受け入れ始めていた。
 唯一の反抗は、『嫌だ』と思う気持ちだけだ。

 ぞくぞくと腰の後ろに駆け上がってくるもの。それに全身を震わせながら、遊糸は必死にソファの背もたれを握り締めた。

「んん…っ、ん、んんぅ…っ!」

 ぐちゅっ、ぐちゅっ

 溢れた自身の先走りで、追い立てる動きは更にスムーズになる。素早く強い動きで、その粘液が泡立つほどに。

 ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ
 ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ
 ぐちゅっぐちゅっぐちゅっぐちゅっぐちゅっぐちゅっ

──だ、だめ…だ……っ!


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