悔恨と懐古

08



「綺麗になったよ、遊糸。つるつるだ。今度ちゃんと脱毛クリームも買って来ような」
「なッ…!」

 そんなものを買ってくると言うことは、この先もずっとこの状態が続くということなのか。
 愕然と言葉を失う遊糸の濡れた場所をバスタオルで拭い、橘は遊糸を連れて再びソファのあるリビングへ戻った。

 浴室のぼやけた光の中ではなく、夜に足を掛けた時間、蛍光灯の煌々と光る室内で、無毛の陰部を改めてみるのはつらかった。

 なんだか、本当に橘の所有物になってしまったような気分だった。
 自由も権利も何もない。選べない。

 橘はソファに腰掛け、先ほどと同じように膝の上に遊糸を抱き寄せた。執拗なまでに、毛の無い陰部を触り続ける。

「可愛いよ、遊糸…。さあ、またお勉強しような。いいかい、扱くというのはこうするんだ」
「んっ…ん、ぅ、んぅ…っ、」

 筒状にした指で、花芯を上下に擦られる。絶妙な力加減で、双球が同じ律動を繰り返す。
 手の甲が皮膚に触れて、陰毛がなくなってしまったことを痛感させられる。

「ぁ、く、ぅ…っ、んぅ、んっ、ん…ッ」

 嫌だと思うのに、徐々に反応を返してしまう花芯が悔しい。
 股間に熱いようなむず痒いような感じが集まり始める。視界が潤む。

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