【フリリク】ドキドキ☆夏の肝試し〜お漏らしもあるよ!〜G

やばい、と思ったときには時既に遅し。
力が抜けた腰にじわりと熱が滲み、それは下腹部から腿へと広がっていく。


「あっ…あぁ…っ、うそ、うそ……」


一度緩んだそこは止まることを知らず、慌てて手で抑えてなんとか止めようとするけれど、そんな俺の意思とは別にどんどんと溢れてくる熱は着用していた衣類に足首へと流れ落ちて、やばい、ガチ漏らしじゃねえか。

俺が一人びびって一人勝手に漏らした。
それだけならまだよかった。
けれど……。


「原田?!お前こんな時間になにして……」


目の前に現れた店長は、俺の姿を見るなり驚愕する。
「ひっ」と小さく声を漏らした俺は、恥ずかしさだか情けなさだか恐怖だかで立っていることができず、そのままへなへなとその場にしゃがみ込んだ。


「おい、どうし……」

「うぅ……見ないでくださいぃ……」


音もなく溢れるそれは衣類から滲み、しゃがみ込んだそこに水溜りを作る。
それが恥ずかしくて隠したい衝動に駆られるが、混乱した脳みそは上手働かなくて、それどころか店長の目線が俺の下腹部に向けられると余計頭の中がこんがらがって。


「……ごめんなさい、も、俺、駄目です、俺、俺…っ」


情けないことに、弁解するために喋ろうとすればするほど声に涙が交じるばかりで。
体操座りをするように膝に自分の顔を埋めて赤くなった顔を隠したとき、「ふっ」と頭上で小さく笑う声が聞こえた。


「〜〜っ」

「……悪い、まさかここまで驚くとは思わなくてな」


「ほら、泣くな」と破顔した店長は俺の顔を上げさせてくる。
穴があったら入りたい、とはまさにこのことだろう。
いつもと変わらない店長の態度が余計辛くて情けなくて、じわりと視界が歪んだ。


「うぇ…」

「おい、泣くなって言っただろう」

「だって、泣きたくもなりますよ…」

「いい年して漏らしたからか?」

「いっ、言わないでください…っ!」

「なにを恥ずかしがる必要がある。事実だろう。ほら、立て」

「無理です…」

「腰が抜けたのか?」


それもあるが、絶対濡れてるであろう下半身を人目に晒したくなかった。
蹲ったまま押し黙る俺に、やれやれと言わんばかりに苦笑した店長は「仕方ないな」と呟いた。
仕方がない?仕方がないとはなんだ。確かに仕方がないが、仕方がないだけはないだろう。自分で言ってて意味がわからなくなってきた。

mokuji
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