【フリリク】ドキドキ☆夏の肝試し〜お漏らしもあるよ!〜E

「うぅ…くそ……っ!四川の野郎……ッ」


しんと静まり返った店内。
棚を伝えに手探りで歩く俺は、今ここにはいない年下のバイトのことを思い出し、呻く。
それ以上に、あんな挑発にノッてしまった自分が腹立たしくて。

こうなったらさっさと見回って、さっさと帰ろう!

そう意気込んだ俺は更に奥へと歩き進んでいく。

そして数分後。


「笹山ぁああ…!四川んん…!どこにいるんだよお……!」


数分前に固めたばかりの決意は既に崩壊寸前だった。
くそ、なんで俺がこんなことをしなければならないんだ。これも全部四川のせいだ。四川のばか。ばか四川。どこにいるんだよ…!

自分がどこを歩いているのかもわからなくなって、おまけに返事どころか人の気配すらしない店内に俺はなんかもう不安で死にそうで。

もういいや、もういい。俺はよく頑張った。あとはもう適当に紀平さんに報告すればいい。帰ろう。
そう自分に言い聞かせ、先程四川とはぐれた場所へ引き返そうとしたときだ。

かつり、と。
店内の更に奥、暗闇の中で確かに足音が聞こえた。

mokuji
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