【フリリク】ドキドキ☆夏の肝試し〜お漏らしもあるよ!〜C



薄暗い無人の店内。
懐中電灯を手にした笹山を先頭に、俺達は恐る恐る中へと入る。


「てかなんで懐中電灯だよ…!普通に明かり点ければいいじゃん…!」

「だってほら、こっちのが雰囲気あっていいじゃないですか」

「おい、お前本当はものすごく楽しんでるだろ」

「実は、わりと」


呆れた顔をする四川に、笹山はにこりと柔らかく微笑む。


「でもそうですね、原田さんが転んでしまったら危ないので明かりを点けましょうか」


そう、懐中電灯をくるりと回した笹山は提案する。
なんで俺限定なんだ。
だがまあ、点けてもらえるのならそれが一番いい。


「それじゃ、ちょっと点けてくるので二人共ここで待っててください」

「さっさとしろよ」

「阿奈こそ、俺がいない間に原田さん虐めないでよね」

「虐めてねえよ。こいつが勝手に虐められてんだよ」

「なんだよその超理論」


なんてぎゃーぎゃー四川と揉めていると、にこにこと微笑む笹山は「では行ってきます」とだけ残し、そのままその場を後にした。
笹山が離脱し、静けさが戻る店内。
俺と四川は睨み合い、そのままふいっとそっぽ向く。

そうこうしているうちに十数分経過。
未だ、笹山は戻って来ない。

mokuji
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