【フリリク】ドキドキ☆夏の肝試し〜お漏らしもあるよ!〜B

「さて、これで全員揃ったみたいですね」


そう言って、笹山は通路に立つ俺たちを交互に見た。
つい先程、笹山から半ば強制的に連れて来られた四川は不愉快そうな顔をするばかりで。


「つーか、なんで俺まで付き合わないといけないんだよ」


そう今にも噛み付きそうな顔をして唸る四川に、笹山ははにかんだ。


「ああ、別に帰りたいなら帰っていいんですよ。俺と原田さんが二人で見回りしますので」


「ね、原田さん」と微笑みかけられ、あまり話をしを聞いていなかった俺は「お、おう」と慌てて頷き返す。
対する四川の表情は相変わらず険しいままで、寧ろさっきよりも悪化しているような…。


「お前らに任せられるかよ。とろいの二匹集まったらうっかりミス連発の大惨事になり兼ねない」

「素直に『心配だからついて行く』で良いんじゃないの、そこは」

「うるっせえ」


どうやら四川もついて来るようだ。文句を言いながらもその場を後にしない四川に苦笑した笹山は俺に向き直る。


「取り敢えず、紀平さんに言われた以上ぐるっと見回りだけしておきましょう」

「そうだな、さっさと済ませて帰ろう」


というわけで、俺たちは閉店後の店内へと向かうことにした。




mokuji
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