【フリリク】ドキドキ☆夏の肝試し〜お漏らしもあるよ!〜A



「なんなら透と四川も連れて行っていいからさ、調べといてよ。今日」

「さらっと巻き込まれましたね」

「透も平気でしょ、こういうの」

「映画の話でしょう。自分で動くのなら別ですよ」 


困ったように眉を寄せる笹山に、相変わらず紀平さんは大らかに笑うばかりで。
「ま、どっちも一緒だって」と笹山の肩を叩く紀平さんはいつになく楽しそうだった。怖い。


「いや、っていうか今日ですかっ?」

「どうせ夜もなんでしょ?俺、これから予定入ってるからさ。よろしくねー」


そういうなり、むくりと起き上がった紀平さんは言うだけ言って休憩室をでていこうとする。
慌ててその背中を追い掛け、呼び止めた。


「ちょっ、ちょっ、待って、紀平さん!」

「ん?なに?……まさか、出来ないなんて言わないよね?」


こちらを振り返る紀平さん。
笑みを浮かべているというのに目が笑っていない紀平さんに睨まれ、俺は「うっ」と言葉に詰まった。
そのまま何も言えなくなる俺に、紀平さんは「ま、そういうことだから」と先程までと変わらない笑みを浮かべる。
そして、


「頑張ってね」


それだけを言い残し、紀平さんは休憩室を後にした。





「横暴だ……」

「…あの人の前で得意不得意をいうのは危険ですね」

mokuji
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