【フリリク】病み気味紀平とA 今思えば、今日は一日中紀平さんの機嫌が悪かった。 それがさらに悪化したのは、確か四川に絡まれた時だ。 まあ、その、いつもの調子で面倒な絡み方をしてきたやつと揉めていたとき、たまたま居合わせた紀平さんに助けてもらったのだ。 そこまではよかった。 不機嫌オーラ纏った紀平さんに事務室に連れ込まれて、現在に至る。 正直、何がなんだかわからなくて、混乱するばかりで。 ただ、紀平さんの怒った顔は見たくない。 「ふっ、ぅ、…く、」 下腹部から響く濡れた粘着質な音。 ローションを塗り込むように四肢に触れてくる紀平さんの濡れた手に腰を掴まれ、そのまま露出した肛門に触れる。 ぬちゃ、と粘っこい液体を絡めた指先が窄みをなぞり、そのもどかしい感触に思わず「ひっ」と息を呑んだ。 「ぅ、んんっ……ふ、……っ」 ぐっと力を入れるだけで、ローションでずぶずぶに濡らされたそこは俺の意思関係なく紀平さんの指を飲み込む。 指とともに体内へと流れ込んでくるローションの感触が気持ち悪くて、自然と逃げるように腰がうねる。 それでも紀平さんは構わず二本目、三本目と指を滑り込ませてきて、痛みもなく難なく飲み込んでしまう自分の体に恥ずかしさと息苦しさでいっぱいになって顔を隠すように口元を手で覆えば、顔を近付けてきた紀平さんに指を甘噛みされた。 「ぁ…っ」 「声、聞かせて」 甘えるようにじゃれついてくる紀平さんだけど、その声は俺に有無を言わせない。 震える指にぎゅっと力を入れて、顔から手を離した俺は紀平さんの胸元にしがみついた。 同時に体内に埋め込まれた指が大きく曲げられ、ぬるりとした中の確かな異物感に腰が震える。 驚きのあまり、ぴん、と背筋が伸びた。 「ん、く、ぁ……っや、紀平さ、ごめんなさ…怒らないで…っ」 出し入れするように激しく内壁を刺激されれば、ぞくぞくと甘い疼きに腰が痙攣し、力んだ下腹部は紀平さんの指を締め付けてしまう。 それでも、紀平さんの手は止まらない。 ぐちゅぐちゅと耳を塞ぎたくなるような品のない音に泣きそうになって、堪らず顔を隠すように紀平さんにしがみついたとき、目があってそのまま唇を重ねられる。 「ん…っ、ふぅ…っぁ…っ」 ちゅ、ちゅ、と唇を吸われ、吐息が混ざる。 優しいキスに頭が真っ白になって、ぽろぽろと目から涙が溢れる。 そんな俺に薄く笑った紀平さんは目から溢れた雫を舐め取り、そのままぐりっと中を大きく掻き混ぜる。 瞬間、電流が走ったかのように思考が飛びかけた。 それも束の間。 「ぁっ、待っ、あ、紀平さっ、や…っ!」 絶え間ない指攻めに、ぐりぐりと弄ぶように前立腺を刺激されれば、波のように襲いかかってくる快感に目の前がチカチカして、熱を持った性器から先走りが溢れる。 やばい、やばい、やばいって、これ、ほんと。 恥ずかしくて、情けなくて、ローションと先走りでどろどろに濡れただらしなく勃起した自分の性器を隠すように触れた瞬間、糸が切れたように先端からびゅるっと精子が跳び出す。 指の隙間を掻い潜って飛び散ったそれは紀平さんの顔を汚し、そのことの重大さに気付いた俺はさぁっと青褪めた。 「ごっ、ご、ごめんなさ…っ」 慌てて、拭こうと手を伸ばしたときだった。 薄く開いた唇から赤い舌が伸び、口元を汚す白濁を舐め取る。 「…狡いなぁ、かなたんは」 そして、三日月型に唇を歪めた紀平さんは怪しく微笑んだ。 いつもの爽やかさの欠片もないその笑顔に、全身が凍り付く。 「上手くなったね、俺の扱い方」 |