【フリリク】病み気味紀平と@ 「紀平さん、ごめんなさい、ごめんなさ…っ」 「謝らなくていいよ、別に俺怒ってないし」 そういう紀平さんの声はいつもよりも低く、それが不機嫌なときのものだというのはすぐにわかった。 覆いかぶさってくる影が動き、全身が緊張する。 腰を撫でられ、服の裾が大きく捲れた。 それを気にする余裕なんかなくて。 俺はただ恐怖諸々で硬直する。 「でも、ちょっと気分が悪いかな。かなたんってば、無防備過ぎるんだもん」 耳元で聞こえる声は直接鼓膜に浸透する。 するりと腰のラインをなぞるように下着の中へと滑り込んできた無骨なその指に、堪らず「っ、ぁ」と小さく声が漏れてしまう。 慌てて臀部を撫でる紀平さんの手を掴もうとするが、逆に手首をとられた。 「だから言ってるじゃん。そんなんじゃ抵抗にすらならないって」 つぅっと手首の血管をなぞられ、耳元で囁かれるその声にぞくりと震える。 慌てて振り払おうとするがやはり敵わなくて。 それどころか、もう片方の手が伸びてきて徐にズボンを脱がされる。 ずるりと腿まで落ちるズボン。 それを上げるよりも先に、剥き出しになった下着に触れる紀平さんの指先に神経が集中する。 「もしかして、それもわざと?」 「違…っんん」 言いかけて、慌てて口を閉じる。 下着を捲るように撫で回してくる手が、裾から入り込んできた。 割れ目に這わされる指に、全身が反応するのがわかった。 触れられた箇所が、じんじんと熱くなる。 「紀平さ、ぁ」 大きく下着をずらされ、外気に晒される尻。 寒さよりも羞恥で全身が熱くなる。 慌てて服の裾を伸ばし、剥き出しになった尻を隠そうとするが、片手では上手く行かなくて。 そんな俺を見兼ねたのか、紀平さんが手を離してくれる。 ほっと安堵した矢先だった。 「俺、心広くないからさ、あんまあーいうのやめてくんないかな。ただでさえ、人前に出したくないのに」 どろりと、冷たい液体が下半身に垂らされる。 びくっと震え、下腹部に目を向ければボトルを手にした紀平さんの手があって、透明な液体から発せられる甘い香りに目眩を覚えた。 濡れた下半身からどろりと滴る液体の感触が気持ち悪くて、泣きそうになりながら慌ててそれを拭おうとするが、腕は動かない。 代わりに、紀平さんの手が俺の性器に触れた。 全身が、緊張する。 なんで、なんでこんな事になったのだろうか。 いつでも逃げようと思えば逃げられる可能性もあるのにそれでもこの場にいるのは、やはり、紀平さんの言葉があるからだろう。 |