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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -

〈"今日は厄日"のナミ視点〉



ノリノリで鼻歌を歌いながら海を眺めるアルト

その様子はどう見ても、島に帰れることを楽しみにしている


……まさか、帰ってそのままお別れ?


あのときアルトの態度を見て、これからずっと一緒に航海を続けていくものだと思っていたが



口から聞いた訳じゃないので不安になる


「ナミさん、どうしたの?」

「………サンジくん」


うねうねと踊る金髪を見てため息一つ


そういや、アルトが海賊いやがってるの知らないんだっけ


「アルト、この船降りちゃうかも」

「「何だって!!?」」

「あくまで私の勘だけど」



…………って、今

声が多くなかった?


辺りを見回すと、私同様に声に驚いているウソップに、今の声で起きたのかやや不機嫌気味に片目を開けているゾロ

そして声をあげたサンジくんに



目をつり上げてるルフィ


……あんたか、犯人は


「おれは聞いてねぇぞ!」

「だから私の勘だって…」

「ちくしょう!聞いてくる!


おいアルト!」

「ちょっと!」


私の止める声も聞かずに足音をたてながらアルトの元へ行くルフィ


……ホント、何で話を聞かないの


「ナミすわぁぁん…アルトちゃん、降りちゃうの?」

「降りねぇだろ?おれ、アルトが降りたいって言ったとこ聞いたことねぇぞ」

「あんたが聞いてないだけよ」


ウソップが仲間になる前はよく言ってたんだから


目の前でルフィがアルトに問い詰めてるところを不安げに見てたら、横から呑気な欠伸が(こいつ…!)


「………呑気ねぇ、あんた」

「あ?」

「アルトが降りるかもしんないのよ?」

「んなこたぁねぇよ」


何を根拠に……








「………一緒にいたいんだと」

「え?」

「一緒にいて、冒険してぇらしいぞ」


慌てることなく落ち着いて言うゾロに嘘は感じられなかった


………もし、それがホントなら安心して島に届けられるわ





ちなみに、アルトが二度目の海への落下はこのあとすぐである

















「………というか、いつそれ聞いたのよ」

「アルトを寝かした日のよ………る」

「……………?」


あら、急に黙りこんじゃた





不安+私の勘

=余計な心配



(ちょっと、あの夜何があったのよ)(なにもねぇ!)(……気になる)

(ナミさん!アルトちゃんが!)(え?)