軋 む 骨

病み高尾ちゃん。

※高黒は付き合ってます。


「――目ぇ覚めた?おはようテッちゃん」
「高尾、くん?」
「俺だって分かってくれて嬉しいよ!でも今は和成って呼んで欲しいなあ?」
「え、いやあのここは?ボクの部屋じゃないですよね?」
「テッちゃんはどこだと思う?」
「皆目検討もつきません」
「まっさかー!検討は付いてるんじゃない?」
「……嘘、ですよね?」
「さあ?」
「本当にどうしたんです?高尾くん、きみは……」
「和成」
「……和成、くん、きみはそんな人じゃ無いでしょう?」
「そんな人ってどんな人?ムードメーカーで?軽くて?お調子者で?キセキの世代の一人の相棒で?」
「……違うんですか?」
「半分合ってるけど、半分は違うかなあ……?テッちゃんさああいつらと仲良いじゃんね?俺ら付き合ってんのにさあ、寂しいじゃん?」
「それは……」
「テッちゃんにあいつらへの気持ちが無いのは分かるけどね、やーっぱ面白くないよねえ?」
「ボクは君しか恋愛感情はありません。信じてください」
「信じてるよもちろん。でもあんなにイチャイチャされちゃあね、いくら俺でも不安にもなるさ」

だから、ね?
態度で示して欲しいわけ。
テッちゃんは俺のコト好きだもんね?できるよね?

――ピリリリ……

突然彼の携帯が着信を告げる。発信者を見て彼は笑った。誰だろう。

「はーいこちら高尾ー。あっれ、真ちゃんが電話なんて珍しー」

真ちゃん――緑間くん?常識のある彼ならば助けに来てくれる可能性が高い。
口を開けた途端、がっ、と携帯を持って居ないほうの手で荒々しく口を覆われた。ボクを見る彼の目は恐ろしく冷たかった。

『高尾?お前は黒子の居場所に心当たりは無いか?』
「えらく唐突だな……なになに?黒子どっか行ったの?」

白々しい。このボク黒子テツヤは目の前にいるというのに。相手の声は聞こえないがおそらくボクを探しているんだろう。しかし突然の電話で虚を突かれたのに平然と取り繕えるというのは流石と言うべきだろうか。
彼、結構演技派だよな、と現実逃避しかけた頭を現実に戻したのは唇をなぞるしなやかに伸びた指。
その長い指が己のなかの柔らかい舌を器用に掴みあげ、咥内をいたずらに蹂躙し始めた。

「ーー……、ふ…ッ?、」
鼻に抜けるような間抜けな声が漏れるのを聞いたそのながい指は尚も楽しそうにねっとりと咥内を荒らしてゆく。咥内の指が動く度に、まるでそれに見立て奉仕しているかのような錯覚に陥った時、下腹部にじわじわと熱が広がっていった。

「っ、ん、ん、」

咥内に唾液がどんどん溜まってゆき、少し動かすだけでもちゅるり、と水っぽい音が響きわたる。
まるで、無理矢理咥内を犯されている、ような、

「ーーーっ、んんっ……、」

「……でも何で俺?俺よりキセキの奴らとかの方が心当たりあるやつ多いんじゃねぇの?」
『黒子厨の黄瀬と桃井が知らないと抜かすのでな、黒子を知ってそうな奴らに連絡している。……お前は黒子を見つけることが出来る数少ない人間だからな』
「キセキ全員で黒子を探してるってか?必死な真ちゃんウケる!」
『死ね。その口振りだと知らないようだな』
「溜め息つくなよー!傷つくなあ……?」
『まぁいい。黒子を探すのを手伝え高尾』
「なんでお前いつもそんな上からなの……そもそも今はちょっと手が離せないんだけどー?今すっごい良いトコロでさぁ……。あ、真ちゃんもする?喜ぶかも」
『誰がするか。貴様の娯楽に興味は無い。切るぞ』
「あら、興味無いか……残念。……え、話したい?今さら何話すの?」
『……高尾、貴様誰といる?』
「あ、聞こえた?でも秘密。少なくともお前らの黒子じゃないことは確かだよ。じゃあねー」
『おい高――』

ああそうだ "お前らの黒子"はここにいないけど"俺のテッちゃん"ならいるって言った方が良かったかな?にこにことわらってボクを見る。とても楽しそうに。

「切れちゃった」
「……っ、切ったんでしょ、君が」
「えへ、まあね……しかしテッちゃんの舌ってとっても柔らかいね」

(まるで、フェラされてるみたいで、)

「すっごくドキドキしちゃった、」
「楽しんでたじゃないですか」
「声出せば良かったのに」
「出させてくれなかったのは誰です?」
「だってテッちゃん真ちゃんに縋ろうとするんだもん。嫉妬しちゃうぜ?」
クスクス笑いながら先ほどまで己の咥内を蹂躙していた長い指に口つけるとれろ、と舐めあげる赤い舌が白い指にいやに映えた。
ぴちゃ、と無音の世界に水音が響く。

(うわ、えっろ……)

「何?そんなまじまじと見て」
「わざとらしいです、よ……」
「ばれた?」
「嗚呼嫌だ、これだから……」
「そろそろお喋りはやめよっか」


……さて、次は何する?

にーっこり笑った顔は流石イケメン。恐ろしいくらいに綺麗で、残虐だ。
さながら獲物を狩る鷹のごとく彼は目下を見下ろす。

嗚呼怖い。
鋭い鷹の爪は喉元まで伸びていた。
さてボクは生きてここを出られるのだろうか。
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