2011/11/13 01:45

ちょっと休憩して鬼不♀


あーあ、鬼道クンが妊娠してくれればいいのになぁーと、不動は足をぶらぶらさせて不満げに呟いた。ベッドに腰かける不動は俺のシャツを羽織っているだけだから、白く細い素足は、ひどく寒そうに見える。隣に座る俺の足を踏んで、あったかいと笑って、それから、やっぱり鬼道クンが子供産めればいいのに、と唇を尖らせた。
「お前が女だから別に俺が産めるようになる必要などないだろう」
「やーだね。だって、陣痛って痛いんだろ。生理痛でも毎月死にそうになってるってのにさ。それに、俺、鬼道クンが産んだ子なら愛せる気がする」
だって俺が子供産んだとして、遺伝子は確かに半分かもしれないけど、実際に栄養分け与えてるのって俺だろ。だったらそれって、なんだか俺の割合のほうが大きい感じがして、気持ち悪い。それよりだったら、鬼道クンが別の誰かに子供産ませたほうがマシだね。あ、絶対俺が知らないやつな。知っているやつならそいつに嫉妬しちゃうから。そうしたら、俺はその子が鬼道クンの子供ってことしか知らないから、俺にとっては100%鬼道クンの子供で、すごく愛せる気がする。
不動の奇妙な潔癖と、奇妙な理論は、俺の理解を時々越える。不動は絶対俺と食器は共有しないし、キスをすれば早く口を濯いでこいと洗面所に放り込む。他人から自分に対しての潔癖なのではなく、自分から他人に対する潔癖なのだ。初めは俺に対して絶対手は触って来ずに、服の裾をちょい、と掴んで引き留めていた。それはそれで別にいいのだが、恋人ならもっと甘ったるくしてみたい。手を握るのもキスをするのにも、こういうことをするのにも、付き合いはじめてからずいぶんと経ってからだった。俺のことが嫌いでの行動ではないかとすら思ったが、今では、こうして足を絡めるくらいなら自分からしてくれるようになった。恐らくはあとで風呂に叩き込まれるだろうが。
「それでもお前は子供が欲しいんだな」
「うん、だってさぁ」
俺子供育てて子供と一緒に仕事から帰ってくる鬼道クンを待ったり、一緒に遊園地行ったり、近所で鬼道家の奥さんって呼ばれるのが夢なんだもん、と顔を赤らめる不動に俺は堪らず抱きついて、数分後に風呂場に押し込められることになった。

鬼道さんと潔癖症あきおちゃんのいちゃいちゃ







2011/11/12 02:22

生霊である不動は夜型である。そもそも夜型ではない幽霊の話などあまり知らない。不動の肉体は生きているわけだから普通の幽霊とは違うとは思うのだが、昼間俺が学校に行っている間に何をしているのかと聞けば、寝てると返されて驚いた。仮にも生きているとはいえ幽霊なのに睡眠が必要なのか。、練習で疲れているというというのに俺が帰るとかまってくるから、ここ最近の俺はすっかり寝不足だった。
不動が事故にあって、色々ショックをうけたり事情聴取をしたり、錯乱する佐久間をなんとか宥め家に帰ると、俺の部屋には不動がいた。俺は今さっき病院で意識のない不動を見たものだから、腰がぬけるのでないかと思うくらいには、驚愕した。そんな俺に、不動は笑いながら言ったのだ。俺、幽体離脱しちゃったみたいだ、と。
肉体には戻らないのか、そもそもなぜ俺のところに現れたのか。そんな疑問を口にすれば、不動はめんどくさそうに顔を歪ませる。試してみたが、戻れない。何故おまえの家にいるかというと、幽体離脱なんて珍しいことをしたから、誰にも姿が見えないのを良いことに、帝国サッカー部員の家を勝手に覗きまわっていたらしい。そんな回答に舌を巻くが、でもお前以外には俺の姿は見えなかったみたいだぜ、との言葉に、なんとなく厄介なものも感じた。というのも、俺はまだ、不動のことに完全に気を許すほど、親しくなるレベルまで到達できていなかったので。
案の定、次の日から不動(生霊)は俺の家の俺の部屋に住み着いた。幽霊がいると体感温度は下がるらしいが、不動がいるとなんとなく、やかましいだけ、暑苦しく感じる。俺は毎日のように言った。早く肉体へと戻れと。不動はその度に答えた。戻れるもんならとっくに戻っていると。こんなにも落ち着かないのは、自分の空間が侵食されているように感じているからだろうか。肉体に戻れない今、この部屋が不動の仮初の肉体のように感じて、本来は自分の部屋であるというのに小さく違和感を覚えた。


続けられたらまだ続く



2011/11/10 00:58

たぶん俺と不動は、友達というにはほんのすこし、何かが足りないのだと思う。その何かは決定的なものではないが、強いていういうなら、人参の入っていないカレーみたいなものだ、と佐久間にこのごちゃごちゃした感覚を説明してみれば、さっぱりわからん、と返された。つまり、肉が入っていないというなら、なんだかショックを受けるとか、残念とか、そんなんだけど、ニンジンって確かに定番だけど肉ほどなくて困らない微妙なものが足らない、みたいなこと、と佐久間らごちゃごちゃ俺の感覚をごちゃごちゃなりに整理し始めた。長年の付き合いがあるだけ、お互いに言いたいことがよくわかる。これが俺と不動にとってのニンジンで、つまり足りないものというわけだった。佐久間と不動や、鬼道と不動なら、友人と呼んでもいい関係に見える。たぶん、肉が大きいから、別にニンジンがあろうがなかろうが、そもそも気にならない。この肉というのは、世界相手に戦った数ヶ月の思い出というやつた。それがあるから、その感覚を共有できる。俺はといえば、不動と共有した思い出は、あまり思い出したくない後ろ暗いものが占めているので、それを今さら引きずり出そうとは思えなかった。別に、いまとなっては不動に特別な感情を抱いてはいないのだ。普通に話掛けられれば、返事するし、その逆もしかり。ただ、友人になるには、微妙な何かが足りない、というそれだけのこと。
「そうだ、今日また、見舞いに行くか?」
佐久間はちらりと、教室の中のたったひとつの空席を見る。そこは不動の席だった。
不動が事故に遭ったのは、一週間前のことだ。スリップしたトラックが突っ込んできた。俺たちの目の前での出来事だった。その日は雨が降っていて、傘を持っていたから視界は悪かったのをよく覚えている。なにせ、雨のせいで屋内練習に切り替わったことを嘆いていたばかりの出来事だったからだ。ブレーキ音とおおきななにかぶつかる音がして、不動の軽いからだは簡単に飛んだ。正直、これはもう駄目なのではないかと呆然と感じていたが、運の良いことに、そのまま植え込みに落ちて、それがクッションとなり、外傷らしい外傷は擦り傷や打ち身くらいなものだ。ただ、その日から、不動は目を覚まさない。
俺は、見舞いに行こうと誘う佐久間に首を横に振った。練習が終わってからでは面会時間に間に合わない。こうしてみると白状ではあったが、それには佐久間にも言えない理由があった。
事故以来目を覚まさない不動に、最初こそ佐久間は心配していたが、三日目にはかえって呆れたように笑った。こいつ、事故のときに中身がとんでって迷子なってるんじゃないか、と。それは佐久間の強がりかもしれなかったから、俺はそれに同調して笑うべきだったかもしれない。けれど、俺にはできなかった。佐久間、おまえの勘はよく当たる。
不動は実際中身が飛んでしまったのだ。肉体から離れて、迷子になっている。なぜ俺がそれを知っているのか。それは俺が実際にその不動を見たからで、その不動に聞いたからだ。肉体への戻りかたがわからない、と。
その幽体離脱してしまった不動は、俺の家の俺の部屋にいる。そして帰宅してきたらあの人をばかにしたような笑顔を浮かべながら言うのだ。
おかえり、と。



気力があったら続けたい不源不



2011/11/05 23:45

悪魔どころか天使すぎるじゃないですか雪村…



2011/11/02 20:23

マサキが可愛すぎて日常生活に支障が出るレベル



2011/10/24 00:58

更新しました
ほとんど日記ログ



今日のプリキュアの黄色がまじ天使だとかやっぱどの作品でも黄色はスタッフの嫁だなぁとか思ってたらラスト3分で全部持っていかれてミューズの正体なんかちっぽけなもんだったのだと愕然した休日
かつては女装すらして焦げゆく肉を憂いてすらいたファルセットさんがまさかのラスボス兼周りのあまりのスルーっぷりに動揺



2011/10/21 23:57

3DS何色買おうかなぁと真剣に悩んでもみるわけですがたぶん赤かなぁ
もっとカラーバリエーションがあればなぁとも思うけれどクリスマスで品薄になって店頭から消えてイナゴが出来なくなる事態は避けたいのでありまして
でもあの赤を買ってしまったら3DSにヒロトって名前つけそう
ちなみにDSは白ですが名前は砂木沼さんです

コロコロのダン戦が先月から一気にジンくんヒロインなった挙句に宇宙一美しい男・神谷コウスケが腹筋を崩壊させ更には人間がLBXに寝取られかけるという恐ろしいものを見せてきたのでもう何を信じたらいいのかわからない コロコロのダン戦面白すぎてやばい…腹筋がやばい…


拍手レス
→甘夏さん
はい、仙プには友人と遊びにいきましたー。欲しいもの決めてたんで30分くらい友人と離れて買い物してたんですが、再会したときには予想以上の荷物になって友人を驚かせるはめに… 私もあまり宮城のイナイレ好きさんと会ったことがなくて友人もそこまでイナイレにはまっているわけではないので、次にまた仙プがあったときにでも是非お話したいですね
拍手ありがとうございました!



2011/10/21 23:30

ぶきっちょめ、と俺は源田の作ったかぼちゃなのかよくわからないものを笑ってやった。来る10月31日いわゆるハロウィンは、帝国付属の幼稚舎と小学で大々的にイベントが行われるらしい。ようするにガキが大挙して中学に押し寄せてくるからそれの相手をしろってことで、俺たちは今から飾り付けの準備をしているわけだ。厚紙でポスター作ったりとか、窓に飾りをつけたりとか、そういうの。源田は不器用だから、あんまり上手に飾りを作れない。こいつ、手、でかいなって、だから上手くできないのかな、っては思うけど、役立たず、とも同時に思う。源田の役立たず。しょうがないから、俺が切ってやるから窓にセロハンテープで貼ってけよ、とテープを放り投げる。頭に当たった。間抜けめ。
「源田もやったわけ、仮装」
「まぁ、ええと、合わせて九年か。あれ、実は毎年衣装は手作りのやつじゃないと駄目なんだ。毎年新しい衣装にするのが大変だから、先輩からお下がり貰ったりしていたな」
「へぇ」
「仮装も楽しかったけれど、裏方で準備をするほうが楽しいな。渡すお菓子は配布されるから、用意する面倒はないし。俺はうまく作れないけど飾りを作るのだって、楽しい」
ふぅん、と俺は適当に頷いて鋏を走らせる。俺は、源田の仮装見てみたかったけどな。
「げんだ」
「ん?」
「とりっくおあとりーと」
「気が早いな」
「うっせ」
こんな作業ばっかりでいい加減疲れた。甘いものが欲しいと喚いてやれば源田はポケットから飴玉を一つ取り出して、包みを剥がして、放ってきた。うまくそれを口でキャッチして、舌先で転がす。あいつはいつもあそこのポケットに飴玉を入れてるのだ。ハロウィンまでに、ポケットに穴開けてやろうかな、と計画を立ててみたり。


ハロウィンな不源



2011/10/20 18:50

好きだ、と言ったら、不動は笑って、俺もだよ、と答えた。それでも、抱きついた手で優しく背中を撫でて、すまなそうに言うのだ。
「でも駄目だよ。俺はおまえに俺のいる未来をあげられないから」
保険をかけているのだと、不動は問い質す俺に、説明を始めた。受取人はもちろん親で、親はそのことを知らないこと。借金はもう残り僅かではあるが、その前に親のほうがおかしくなってしまいそうだということ。保険金で、借金を返してさらにおつりが来ること。事故で死ねれば一番良いが、そうでなくても近いうちに自殺とわからない方法でうまいこと近いうちに死んで、親に金を渡したいということ。淡々と話す不動の説明に、そんなうまくいくはずない、と俺は一蹴した。そうして否定しなければならなかった。俺が否定してやらなければならない。しかしそう考えるのも傲慢に違いないなかった。
「親さえ、気づかなきゃいいんだ」
「親は泣くぞ」
「そうかもな。でも、だから、少しでも悲しくならならないように、ずっと遠くで生きてきた」
それをいつから決めていたのだろう。少なくとも不動は中学の頃から、地元に帰るようなことは少なくとも俺にはしているように見えなかった。あれから、何年も経って、不動は今もひとりで暮らしている。ずっと、ずっとだ。
「昔は親のために生きて死ぬなんてまっぴらだった。でも、もういっかなって。あのひとたちの気持ちをもうわからないほど馬鹿じゃない。馬鹿じゃなくなれたのはおまえたちのおかげだよ。自分のためじゃなく他人のためになんかしようとするおまえらのこと見てたら、親のために生きるのも死ぬのも悪くないって」
いいや、おまえは馬鹿だ。正真正銘の馬鹿だ。そんなことして、親は悲しむだろう。遠く離れていても、実の親子なんだから。俺、だって。
「自分の保険がどうなってるかなんてわからなくて、だから自分で働けるようになるまで、少なくとも自分で自分の死を管理できるまで、それまではちゃんと生きようって。そう思って、勉強だってしたし、サッカーだって、まぁ思い残すようなことは何もないように生きてきた。でも、たぶんずっと、昔の昔に俺はもう疲れちゃって、だから死んでもいいやって思ったことも間違いじゃないんだ。せめて、前向きな理由をこじつけて、俺は早く死にたかったんだよ」
「俺が、その借金を返すと言ってもか。俺が肩代わりして、それをおまえが申し訳ないと思うなら、少しずつ返してくれればいい。あと少しなんだろう。おまえだって、若いんだから、」
「いいよ。そんなの。言うだろ。人の心は、お金じゃ買えないって。俺の心はお金じゃ買えない。買わさせない」
不動は、俺の手を自分の胸に当てさせた。ゆっくり、ゆっくり、鼓動を刻むのに、不動は自らそれを無くそうとしている。死ぬと決めたからには、うまくやるだろう。自殺だとわからないように、周りに迷惑をかけないやり方で。近いうちに、必ず。だってこいつは、不動明王だから。
それにさ、と不動は笑った。
「思えたんだ。一番欲しかったものが手に入ったから、もう死んでもいいやって」






あんまりハッピーじゃないきどふど



2011/10/16 23:23

そろそろこたつ出そうぜ、と言う不動に、こたつなぁ、と曖昧に返す。しゃくしゃくと冷えた梨で体温を下げるのに心地よいくらいの今じゃ、こたつはまだ早いだろう。それに、こたつを出せば不動はよくそこで寝てしまうから、風邪をひいてしまいがちなのだ。去年なんか酷かった。鼻もずびずび鳴らすし、咳も繰り返すものだから早く病院に行けと忠告したというのにだいじょうぶだいじょうぶとひらひら手を振るものだから、悪化して40度近い熱を出したのだ。引きずって点滴を受けている不動は、うわ言で、しぬ、しんでしまう、と繰り返していた。結局生きていてそのことをすっかり忘れているからこうしてまたこたつこたつこたつー、と喚くのだろうけど。
こたつ早く出せよぉ、源田、とごろごろベッドに転がって要求する不動に対して、梨食べるか、と話を反らす。たべる。餌付けは成功。ほら、と自分も一口食べながら爪楊枝で刺した梨を渡せば、そちらには目もくれず、不動は俺のくわえてる梨にかじりついた。




あきおは狭いって言いつつこたつは源田と同じとこに座りそう

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