06「んーん。文、へーきだよ」
今夜は会計委員会のお仕事があります。
人間の文次郎は委員長としてもちろん出席しています。
そしてその隣には、
「もんもおてつだいするよっ!」
猫の文次郎が張り切っていました。
「わーぁっ! この子が噂の子猫か」
1年は組の団蔵くんが目をキラキラさせながら言いました。
「だれ?」
「俺、団蔵っ!」
「だんぞー? もんは、もんにろーってゆうの」
「えー!? 名前まで潮江先輩と一緒なのか?」
団蔵くんが驚いたその時、
「しっ…潮江先輩! 左門を捕まえてきました…!!」
「おぉっ! 会計室にたどり着いた!」
田村先輩と左門先輩が入ってきました。
迷子になっていた左門先輩を捜し回っていたようで、田村先輩は少しボロボロになっていました。
「じゃー猫は俺と仕事しようっ」
「うん!」
「この帳簿を…」
「ちょうちょ?」
「ちがうよ。ちょーうーぼー」
団蔵くんたちの後ろでは、
「もうっ、会計室に行くだけで迷子になるな! ばか!!」
「あっちだと思ったんですけどね…アハハ」
田村先輩を左門先輩が怒っていました。
「…」
今日は仕事が進まなそうだと左吉くんと人間の文次郎は思いました。
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