気にしない気にならない


「名字って喧嘩つえーんだろ?だから灰崎が喧嘩してたらボコって連れて帰ってきてくんね?」

そうは言われましても…。

結局、虹村先輩の頼みを断るわけにはいかず、私は灰崎のお目付け役(?)をすることになった。不本意だけど。

でも虹村先輩が灰崎のサボリに対応していると先輩の練習時間が少なくなってしまう。さつきちゃん含め他のマネージャーが対応するより私が行ったほうが一度喧嘩してる分効果的なのもわかる。仕方がない、ここは私が頑張ろう。



「名前ちゃん、灰崎くんがまた来ていないんだけど…。」

「まじか。行ってくる…。」

あの後、虹村先輩に「このことは他のマネージャーにも伝えとけ。」と言われた私は、さつきちゃんや先輩マネージャーに「虹村先輩に頼まれたんでこれから灰崎がサボったら私が連れ戻します私昔護身術習ってたんで!」と嘘をついた。嘘をついたことによる罪悪感はかなりあるが、短気なことは絶対に知られたくないので仕方がない。皆ごめんなさい。

ちなみに皆の反応は、それなら大丈夫だねよろしく!というものだった。灰崎はその素行の悪さから怖がられているので、まあ妥当な反応だろう。

私は先輩マネージャーに、行ってきますと声をかけ体育館を出た。虹村先輩いわく、灰崎がよくいる場所は裏庭か屋上かゲームセンターらしい。ゲームセンターは行くのに時間がかかるし屋上は階段を登るのが面倒くさい。 ここは裏庭から探そう。ちなみに裏庭は前回盛大に喧嘩した場所でもある。そして今回は喧嘩をしないように頑張ろう。

「……うわ、マジでいた。」

「ああ?…またお前かよ。」

いや、裏庭から探そうとは言ったがまさかいきなり見つかるとは思わなかった。携帯をいじっていた灰崎は顔をあげ私を見ると舌打ちをした。

……我慢我慢。


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