真ちゃんの家の前に着き、私はインターホンを押した。ピンポン、と小さく音が鳴る。少し遅れて真ちゃんが扉を開けて出てきた。 「やっほ。」 「…。」 昼と変わらず、真ちゃんはよく分からない顔をしていた。 只今の時刻は午後10時過ぎ。良い子と真ちゃんはもう寝る時間なので私は単刀直入に聞く。 「真ちゃん、どうかしたの。」 「…なにがだ。」 「機嫌がよくないって聞いた。」 「大丈夫だ。」 高尾くんは真ちゃんの機嫌がやばいと言っていたが、なにもやばい様子は見られない。むしろいつもより素直めだ。うーん、謎。 「高尾くんに真ちゃんやばいって言われたんだけど。」 「大したことはない。だがしかし高尾は明日しめる。」 「ごめんね高尾くん!」 しまった私の余計な一言のせいで明日の高尾くんが死んだ。 「…お前は、」 「ん?」 心の中で高尾くんに詫びていると、突然真ちゃんが口を開いた。今までは何を思っているか良く分からない顔をしていたが、曇った表情に変わる。 ん?曇った表情? ← → 戻る |