理由探しはあとでいい


「お前マジでなんなの。」

どうやら赤司と2人でコンビニに行ったのを見られていたらしい。

私は今、女子からの呼び出しというものを喰らっていた。

場所は校舎裏。今は昼休みだが、それでもあまり人のこないところだ。要するに助けは望めない。
相手は5人。全員知らない顔なので他クラスのようだ。見た目は今時の女子と言う感じなので、喧嘩で負ける気はしないが、

「お前、ブスのくせになんで赤司様と一緒にいるんだよ。」

「あんたさあ、ほんと何様のつもりなの。」

「赤司様が優しいからって調子乗ってない?」

「いい気になってんじゃねーよ。」

ぶっちゃけ面白すぎて喧嘩をする気分にはなれない。まず赤司様ってなにそれやばい。
こういう状況になるとブチギレてしまうと思っていたが、ここまで漫画みたいだと怒りよりも面白さが勝る。これにはある意味救われる。

「とりあえず、もう二度と赤司様に近寄んなよ。」

そう言って女子たちはこの場を去った。
近寄んなよって言うけど、大体あっちから関わってくるんだけど…。




「てなことがあったんだよねー。」

「え、大丈夫なの!?」

放課後になり部活前。私は更衣室でさつきちゃんに昼休みにあったことを話した。

「うん。でもこれ以上めんどくさいことになるの嫌だから、赤司に渡すドリンクとかタオルとかはこれから先輩に渡してもらうことにした。」

「そうしたほうがいいよ。」

どこで見られてるかわからないもんね!とさつきちゃんは続ける。流石さつきちゃん、話が分かる。今日呼び出してきた女子は同級生っぽかったので、先輩に頼めば迷惑もかからないだろう。

ただ、1つ弁明させて欲しいのが、私が進んで赤司にドリンクやタオルを渡しているわけではない。あいつがこっちに来るのだ。本当これだけは言わせてほしい。
でもまあ先輩が直接渡せばそれも解決だ。呼び出し自体は面白かったが面倒ごとは避けれるなら避けたい。

「でも、名前ちゃんはいいの?」

「なにが?」

「ううん、なんにもない。」

そう言うさつきちゃんは意味深な顔をしていた。


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