おまけ


昨日の夜は結局、思い出しニヤけで一睡もできなかった。だがしかし私は全く眠くない。
なぜなら! 今から真ちゃんと学校に行くから!!

待ちきれなくていつもの待ち合わせ時間より10分早く家を出れば、その5分後に真ちゃんが家から出てきて。やだ少し早く出てくるとか真ちゃん可愛い。私と目が合った瞬間にどこか照れくさそうに目をそらす真ちゃん超絶可愛いマイフェアリー。

「おはようダーリン!」

「朝から声がでかいのだよ!」

「ダーリン今日もかっこいいね!!」

「その呼び方をやめろ!」

学校まではそんな感じで騒ぎながら登校した。うん、楽しい。カップルみたいだ。いやカップルだった最高かよ。



「てかさあ、昨日お昼結局どうなってたのー?」

朝練で早々に高尾くんに話しかけられた。そりゃそうだろう、結局昨日は安静にしておけと真ちゃんに押し切られて部活を休ませてもらった。つまり高尾くんには昨日の事を一切話していない。

私はにやける顔を必死に抑えつつも、言う。

「真ちゃんに! 告白されたの!」

「貴様声がでかいのだよ!!」

「いった!!」

叫んだ瞬間顔を真っ赤にした真ちゃんから、バスケットボールが飛んできた。後頭部に直撃したが、わりと本気めに痛い。

私の言葉を聞いて体育館内はざわざわし始める。その中から宮地先輩が一歩前に出てきて眉を寄せながら口を開いた。

「夢かよ。」

「なっ! 夢じゃないですよ!」

「夢だろ。現実に戻ってこい。」

「だから夢じゃないですって!」

そう、夢じゃない。あの顔を真っ赤にして好きと言ってくれたり付き合ってもいいと言ってくれたりした真ちゃんは夢じゃない。録画しておくべきだった。
いやあそれにしてもあの時の真ちゃんは神だ。思い出すだけでも 可愛いすぎて気が狂いそうになる。うん…可愛い……

「っておい! 名字、お前鼻血!」

「わあ。」

「なにしてんだよ!」

「昨日のことを思い出して、つい。」

「はあ?!」

「誰かティッシュ持ってません?」

血まみれな私を見て、体育館がとたんに騒がしくなる。いやあ、朝練の邪魔をして本当に申し訳ない。でもこれは真ちゃんがあまりにも可愛すぎるから仕方ないと思うんだ。

「あとで昨日のこと詳しく教えてな。」

「もちろん。」

笑みを口で抑えながら言う高尾くんに、私はウインクでそう返した。



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