少年Aの回顧録


俺が中学で名字に会ったとき、このチャンスを逃すまいと思った。あの時なぜ俺を助けたのか、なぜ普段は大人しくしているのか。単純に知りたかった。
その答えは予想外のものだった。

「昔から短気で、すぐに手が出るの。だから人と関わらないようにしてる。それだけ。」

いざ知りたかったことを知ると、次に思ったのは彼女には借りがあるままだったということ。
借りをそのままにしておくのは嫌だったので、彼女の性格を治すのを手伝うことにした。

しばらく考えたが、やはり無理矢理にでも慣れさせるのが一番の近道だろう。俺が手伝うと言ったのだから、わざわざ違う部活を進めるのもおかしい気がして、バスケ部に入れた。
だが、俺は1軍で彼女は3軍。これに関しては、少し考えが足りなかったなと思う。

その日の帰り道、マネージャーの桃井と出会ったので名字の様子について聞いた。そこでアドレスを教えてもらう。
メールを作成しつつ、大して親しくもないのにここまでしていいものなのか、とも思ったがここまで来たら徹底的に付き合おう。中途半端は一番嫌いだ。

数日して、朝登校すると名字がいて少しだけ面食らった。しかも辞めたいと言う。
俺は昨日虹村さんが、1軍のマネージャーが少し足りないと言っていたのを思い出した。すぐに連絡を取り、観察眼に優れている桃井と一緒に名字を紹介した。
名字が1軍に来るのかと思うと、本当に少しだけ口角が上がった。これは借りを返せる喜びなのだろうか。

「3軍より楽。」

急に決まった移動にどう思うのか疑問を持ち、尋ねてみればこう返ってきた。
まあ、不満がないならそれでいい。



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