エンドロール終わらないで


マネージャー生活も3日目になろうという日の朝。私はもう限界だった。
部活に、どうしても気の合わない人がいるのだ。1つ上の先輩なのだがとにかく皮肉がすごい。言われているのは私だけではなく、ほかの人へも言っているので、マネージャー間でも陰口をかなり叩かれているような人だ。
だけど、このままだと陰口では済まない事態になる。乱闘が起こる。私のせいで。

友達関係はとても順調だ。クラスでも話せる子が何人か出来た。さつきちゃん以外にもマネージャー友達ができた。笑顔で接せられる友達がいるというのは、本当に楽しい。ここにだけ関して言えば、赤司にはめちゃくちゃ感謝している。

でも、やっぱり限界だ。
辞めたいと赤司に伝えよう。さつきちゃんたちには、辞めるけど友達でいてほしいと言おう。
だって、このままだと乱闘騒ぎも時間の問題だ。イコール、退学。
それだけは避けなければならない。

家をいつもより早めに出たので、教室には一番乗りだった。
席につき、ぼんやりとしていると赤司が来た。私がいるのを見て、少し驚いた顔をしている。
うん、やっぱり。赤司は絶対一番にくるタイプだと思った。

「珍しいね。」

「ねえ、赤司。…私バスケ部辞めたい。」

こういう時は、変に言い訳をするよりも単刀直入に言うのが一番だ。

「我慢はしてる。でもどうしても駄目な人がいるの。このままだと本当に殴っちゃう。」

「そうか。」

「赤司には感謝してるよ。少しだけだけど我慢できるようになったし、友達も出来たし、本当に感謝してる。」

「…分かった。」

合わない人がいるなら仕方ないな、と赤司は続けた。
案外すんなり行ったことに驚いた。てっきり駄目だと言われるものだと思ってたからだ。
そしてお互い席につきそこからの会話はなかった。まあそうだよね。私と赤司の繋がりは、これでもうなくなったようなものだ。

これからは、ただのクラスメイトだ。話すことももうないだろう。


昼休み、さつきちゃんからメールが来たので見てみると「私と名前ちゃん、今日から1軍だって!がんばろうね!」と書かれてあった。

バッと顔をあげて赤司の方を見ると 、赤司は例の微笑みを浮かべてこちらを見ていた。
赤司の笑顔を見て、周りの女子たちが頬を赤くしている。一方私は、頭を抱えるしかなかった。

違う。そうじゃない。そうじゃないんだよ赤司。確かにあの先輩が駄目とは言ったけど、こういうのを望んでいたわけじゃないんだよ。

…てか、なんで1年なのにマネージャーの配置替えとか出来るの。


戻る
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -