目を閉じる君はうつくしい


調整合宿も終わり今は帰りのバスの中。

高尾くんから、真ちゃんが火神くんにアドバイスと言う名のツンデレをかました話を聞いて悶絶していたら、真ちゃんに結構強めに叩かれた。なので今は大人しく座っている。
それにしても真ちゃんは自分の力の強さを把握するべきだと思う。結構痛かった。

秀徳につくまでにはまだ時間がある。合宿がハードだったのもあり寝ている人も結構いた。私も眠い。

このまま寝てしまいたいが、私は座って寝ると隣の人にもたれかかってしまうのだ。中学の合宿中も何回もさつきちゃんの肩に迷惑をかけた。
あの時はさつきちゃんは笑っていいよいいよと言ってくれたけど、なんせ今隣に座っているのは真ちゃんだ。真ちゃんの肩で寝たい気持ちは山々だしむしろ喜んで寝たいけど、真ちゃんにブチギレられる未来しか見えない。やめよう。

真ちゃんの方を見ると、真ちゃんは腕をくんで目を閉じていた。高尾くんと裕也先輩も同じような姿勢で寝ている。もたれかからずに寝れるなんて羨ましい。
眠い。でも寝たらダメだ。起きとかないと。気を抜けばすぐに意識が飛びそうになるが腕をつねってなんとか目を覚ます。でもすぐに眠気は襲ってきて……ねむ…






ガタ、ガタ、と揺れる心地いい振動が体に伝わる。少し眼球が乾燥していて目が開きにくい。少しだけ身じろぎをすると左肩になにか暖かさを感じた。
ぼーっとする頭で今の状況を考える。……ほう、私寝てたのか。

暖かさを感じる左側にゆっくりと視線を動かせば、何故かこちらをガン見している真ちゃんと目が合った。私と目が合った瞬間、真ちゃんは驚いたように目を広げた。

「…起き、たのか。」

「あ、うん。おはよ…。」

てか、ん?驚いている真ちゃんに対してもだがそれ以前になにかすごい違和感を感じる。そしてその違和感が何なのかは、すぐに気がついた。

「…あ!ごめん私真ちゃんにもたれかかって寝てた!重かったよね!?」

しまった、やらかした。寝ないでおこうと思ったのに寝てしまったし、思いっきり真ちゃんにもたれかかって寝てた。もう軽く寄りかかるとかいう次元じゃない。全体重をかける勢いで体を預けてた。これはやばい。真ちゃんに殺され…

「いや、…構わん。」

真ちゃんはそう言って、眼鏡を中指であげてからそっぽを向いた。あれ?怒ってない?
…まあ怒ってないのならいっか。

てか、なんで真ちゃんは起こさずに私をガン見していたんだろう。謎だ。


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