いざゆかん任務を果たせ


今朝は朝練がないのにも関わらず、いつもと同じ時間に起きた。今日は待ちに待った服装検査の日なのだ。風紀委員の初仕事である。

昨日の夜に宮地先輩が部活内のL●NEで「てめえら明日の服装検査で引っかかったら部活で焼く」と言っていた。それを見て、検査する側の私まで震え上がった。今日の部活の平穏のためにも、どうかバスケ部は誰も引っかかりませんように。私はそう祈った。

校門に着いたが、宮地先輩はまだ来ていなかった。とりあえず昨日貰った委員の腕章を腕につける。いいねいいね、こういうのいいね。風紀委員!って感じがしてかっこいい。

「おう。はえーな、ってか、なんでにやついてんのきもっ。」

「…おはようございます。キモくないです。」

そうこうしていると宮地先輩が来た。腕章を見て微笑んでいる私に心底引いた目を向けてくる。失礼な。
腕章をつけた宮地先輩は門の右側に立った。私は左側に立つ。服装違反をしている人を記録する紙を挟んだバインダーを持ち、準備は万端だ。

どの部活も朝練がないとはいえ、ポツリポツリと登校する人が現れてきた。私は門を通る人に目をやる。違反をしている人には直すよう促して、紙に書き込み放課後別で指導が入る。


門に立つこと十数分、愛しの緑色が遠目に見えてきた。はああ今日も朝から相変わらず美しいさすがです。
真ちゃんがこっち側に来るように心の中で念じたが、私の満面の笑みを見た真ちゃんは一瞬怪訝な顔をして宮地先輩の居る側へと向かった。ひ、酷い。

ちなみに今日の真ちゃんは、通学カバンに加えて大きな紙袋を両手で抱えている。てか、うわ、大事そうに両手で紙袋抱える真ちゃんすっっっごい可愛い写真撮りたい。

「お、今日のラッキーアイテムは紙袋か。」

「…はい。」

「まあ、中身なんか入ってるっぽいし、紙袋ならいいか。お前服装はちゃんとしてるし、よし、通っていいぜ。」

「有り難うございます。」

ちなみに今日のかに座のラッキーアイテムは毛布だった。もうすぐ夏なのに今日もおは朝は鬼畜だ。
真ちゃんはラッキーアイテムの大きさにこだわる癖があるので、あらかじめ「毛布隠さないと宮地先輩に引き裂かれるよ」とメールをしておいた。おそらく毛布はあの紙袋に入ってるのだろう。

てかあの紙袋超でかいんだけど。どんだけでかい毛布持ってきたの。あとで見せてもらおう。ついでに一緒にくるまってキャッキャうふふしよう。



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