第零話「勅命」


「失礼いたします、陛下」

未来はピオニー陛下に呼ばれて

謁見の間に入った。

銀髪のポニーテールに

青色の軍服。

その場にいた人が彼女に注目する。

「未来か、待っていたぜ!」

部屋にはピオニー陛下とマルクト軍の兵士。

それにジェイド・カーティスがいた。

(死霊使いが、何故一緒に?!)

「さて、と。

お前たちを呼んだのは

重大な任務を任せたいからだ。

キムラスカに向かって欲しい」

「え?」

「まさか、宣戦布告ですか?」

いきなりの命令に未来とジェイドは驚いた。

「ばか、反対だ。

和平の親書を届けてくれ。

おい、お連れしろ」

「はっ!」

陛下の隣で控えていた兵士が扉を開いた。

「あなたは導師イオン?!」

そこに立っていたのは

ローレライ教団のイオン様だった。

「和平の証として同行してもらう。

導師に、死霊遣いに、堕天使…

三人がそろえば

キムラスカにも誠意は伝わるだろう」

「…陛下、御意のままに」

「わかりました」

未来とジェイドは了承した。


「二人とも、よろしくお願いします」

謁見室から出るとイオン様はお辞儀をした。

「そんな、頭を上げてください導師」

「そうですよ、イオン様…それより…」

ジェイドは未来を見つめた。

「まさか貴女と

任務を一緒に受けるとは思いませんでした。

堕天使未来」

「そうね。

私もびっくりだわ、死霊使いジェイド」

二人はお互いを通り名で呼びあい

握手をした。


それからすぐにタルタロスが準備され

出発となった。

まさか、これが長い長い旅になるとは

誰も予想してなかった。


to be continued

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