■第八話「呼びたい名前」

「エクステンション完了!

うん!いい感じ!」

今日もエクステンションを完了させ

セイは嬉しそうに体を動かした。

「エラーが起きてから

なんだかあっという間だったなぁ」

「そうね」

私もそう言ってうなずいた。

実際にはセイと出会ってから

まだ一週間しか経っていないけど

その一週間はとても充実した毎日だった。

(あまり同僚の事

考えなくなったかもな…)

私はふとそう思った。

「未来さん!未来さん!」

「え?」

考え事をしていたらセイに呼ばれた。

「ぼーっとしていたよ」

「あ、ごめんね!

それでなんだっけ?」

「俺の生活サポート力

あがってきたと思わない?」

セイは笑いながらそう聞いた。

「うん、助かっているよ」

「自分で聞いといてなんだけど…

なんかちょっと照れるな」

「ふふ、セイったら…」

セイの笑顔につられたように

私は笑った。

「俺がここまで成長できたのは

全部未来のおかげだよ」

「あ、名前…」

急にセイは私を呼び捨てで呼んで

それがすごく照れくさかった。

「…ダメ?」

セイが少し不安そうになった。

「あ、違うの。嬉しくて…」

「やった!へへ!

いつもそばにいてくれて、ありがとな」

セイは再び嬉しそうに左右に揺れた。

「未来ともっと仲良くなって

精神的にも支えられる…

そんな存在になりたいと思うよ」

「ありがとう、セイ。

でももう支えられてもらっているよ?」

「本当?!嬉しい」

セイは飛び切りの笑顔になって

何故だろう?

私の胸はキュンとした。


to be continued