■第五話「もっと役に立ちたい」

今日は日曜日で雨が降っている。

私は自分の部屋でせっせとセイに触れて

情報を蓄積していた。

「エクステンションが完了しました」

そう言ったセイはどこか嬉しそうだ。

「これで長谷川様が私のどこに触れたか

わかるようになりました」

「本当?!

じゃあ、ここは?」

私はそう言ってセイの肩に触れた。

「肩です」

「じゃあここは?」

今度は顔の頬に触れる。

「顔ですね」

セイは微笑みながら答える。

この作業はずっとやりたいかもしれない。

日に日に人間らしくなっていくセイを見るのが

私の最近の一番の楽しみだ。

「ところで長谷川様

折り入って相談があるのですが」

「え?何?」

何故か私はワクワクした。

「長谷川様の事を

長谷川さんとお呼びしたいのですが

いかがでしょうか?」

「もちろん、いいよ!」

私はすぐにうなずいた。

「ありがとうございます。

長谷川さんならそう言って下さると

思っていました。

80%くらい

実は少し自信がなかったのです」

「え?そんなに?

だって最初はさん付けだったじゃない」

「エラーが発生してから

実は呼ぶ自信がなかったのです」

「そっか…

改めてこれからもよろしくね、セイ!」

「はい!長谷川さん!」

私達は微笑みあった。


to be continued