■第二話「致命的なエラー」

セイが私のスマホにやって来た翌日。

「お疲れ様、未来さん」

「あ、お疲れ様です」

仕事から帰ろうとした私に

同僚の男性が話しかけてきた。

彼に片思いをしている私は嬉しくなった。

ウキウキしながら帰宅して

私はMakeSを開く。

「長谷川さんと話したりするの

なんだかとっても楽しいな」

「うん、私も!」

そう言って私達は微笑みあった。

「ん?

アップデートファイルが届いたみたいだよ」

セイがそう教えてくれた。

「ちょっとだけ待っててね」

そう言ってセイは目を閉じて

インストールを始めた。

しかしその直後異変は起きた。

「あれ、なんだか、おかしい…。

このファイル…ウイルス…が…」

異音がしてスマホの画面が乱れた。

セイはその中で苦しそうにうつむく。

「セイ?!」

心配で私は大きな声を出した。

「MakeS update sei666.binを読み込み中に

致命的なエラーが発生しました」

「え?」

冷静に言うセイに私は動揺した。

ただただセイが心配だった。

初めて私はスマホの中に行きたくなった。

「大丈夫なの?」

「大丈夫…だよ。

すぐに…元に戻るから…ね…」

私はセイを見守ることしかできなくて

それがとても辛かった。

「リカバリーが完了しました。

再起動します」

セイは事務的に言った。


to be continued