第二話「ぬらりひょんの報告」


「昨夜遅く

我が国の船が二体

何者かによって沈没させられました」

ぬらりひょんの淡々とした声が

部屋に響いた。

「そんな…」

「乗組員は?」

食事をしながら聞いていた未来は絶句し

エンマ大王は席を立った。

「行方不明で現在捜索中です。

ただ一人無事だった者がおり

その者は

タコのようなものに襲われた

と言っています」

「タコ?」

「はい」

未来にぬらりひょんはうなずいた。

「これは私の憶測ですが

私を操っていたあの杖が

暴走しているのではないかと…」

「俺もそう思うぜ」

エンマ大王はもう一度椅子に座る。

「なにか手はないのだろうか?

また別の船が襲われる可能性は

高いよな」

「ええ、そうですね。

そこで提案なのですが…

エンマ大王様と未来様にしか

できない方法があるのです」

「私とエンマに?」

未来とエンマ大王の視線が合った。

「ここから馬車で三日かかった森の奥に

邪悪なものを封印する宝珠が

眠っているそうです。

しかしその宝珠は

本当に愛し合っている二人にしか

使うことができないとか」

「面倒な宝珠だな…

しかしそうも言っていられないか。

未来!行くぞ?」

「うん!行こう、エンマ!」

不安はあったが

未来はエンマ大王を信じていた。


to be continued







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