第一話「始まりは何気ない朝」


「おーい!未来!」

未来は体が揺さぶられるのを感じ

目を覚ました。

「エンマ…」

そこにいたのは一か月前に結婚した夫

エンマ大王がいた。

「もう朝?」

「ああ!

そろそろ起こそうと思った。

お前が寝坊なんて珍しいけどな。

やっぱり昨夜無理させたか?」

エンマ大王は途中まで笑顔だったが

最後は心配そうな顔で

未来の頬に手を当てた。

その言葉と仕草で

昨夜のことを思い出し

未来は恥ずかしくなる。

「そ、そんなことないよ!

それより起きないとね!」

未来は慌てて身支度を始めた。


「大王様!未来様!

おはようございます!」

未来とエンマ大王が部屋を出ると

ぬらりひょんがいた。

ぬらりひょんはかつて

未来を利用して

世界を支配しようとしたが

それは杖の力に乗っ取られていたからだ。

今は未来達に忠誠を誓っている。

最初は未来のことを

「奥方様」

と呼んだぬらりひょんだったが

未来の希望で名前で呼ぶことになった。

「おはよう、ぬらり」

「なんか慌てていないか?」

「はい。

ここでは話しづらいですから

朝食を食べながらお話しましょう」

ぬらりひょんの顔からは

緊張感が伝わってきて

未来は嫌な予感がした。


to be continued







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