01





ホームルームが終わり、より一層教室内が騒がしくなる。
おまけに今日は転校生がいて、みんな興味津々なのだ。

転校生にたかっては質問攻め。桜宮さん困ってるじゃないか。


桜宮さんは俺と席が離れているから話す機会はあまりなさそうだ。


不覚にも残念だと思った俺は少なからず彼女の事が気になっているらしい。


サッカーとか興味ないかな。マネージャーなんかになってくれたら俺はもう舞勢い。


なんて、



ああ、なんか自分で言って恥ずかしくなった。




そして放課後。
今日も一日、転校生の件を除けばごくごく普通の、いつも通りの日常だった。


特に変わった事もなければ、何か特別イベントが起きた訳でもない。


あとは部活やって家帰って風呂入って飯食って課題やってのんびりしてから寝る。


うん
普通だ。地味だ。平凡だ。


そんなくだらない事を考えつつ、いつも通りのんびりと部室に向かう時だった、






「あ、半田くん!」






びくりと肩がはねる

振り返った先にいたのは、そう、初日目にして俺が一目惚れ(?)してしまった転校生の桜宮さんだった。


「あ、えっと、桜宮さん」
「名前覚えててくれたんだ」

嬉しいな、と柔らかく微笑む彼女はやっぱり可愛かった。


「まあ…。そういえば、何で俺の名前?」
「え!?それは…えっと…あ、そう!教えてもらったの!」
「あ、そうだったんだ、びくりした」

そう言って苦笑いを浮かべれば彼女も同じように苦笑いした

「と、とりあえず…」

宜しくね、と片手を差し出された。握手、でいいんだよな。

差し出された手をそっと遠慮がち握ると相手も握りかえす
「友達!」と言って笑顔を見せる彼女に俺の胸はとく、とく、と徐々に速度を速めていく。



手汗とかかいてないか心配になった。



「席はちょっと遠いけど、よかったら仲良くしてね!」



こちらこそ。




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