01
今日は待ちに待った桜宮とのデート(仮)の日だ。
別に楽しみすぎて夜寝れなかったとかそういうんじゃないんだからね。
……げふん。
ということで昨日約束した通り、桜宮の家に迎えに来たわけだけど……少し早かったかもしれない。
チャイムを押そうかどうか迷ってる時にいきなりガチャリと玄関が開き、うぉあっ!と声をあげてしまった。はずかしい
開いた玄関からヒョコッと顔を出したのは桜宮だった
「やっぱり半田か!そんな所で何してんの?」
「えっ、いやちょっとな」
ははは……と苦笑いすると桜宮はキョトンとして不思議そうな表情をした
「まあいいや!んじゃ行っちゃいます?」
「おお行くか」
焦ったー……。なんだか変に意識してしまう。リラックスリラックス
――――
「おおお結構人いるなあ」
「今人気だしね」
差し出されたチケットを貰うとそのまま受付を通り指定された椅子に座る
「うおお映画に来たってかんじ」
「確かに。今はデジタル化でDVDですませちゃうしあんま来ないもんな」
「そうなんだよね!半田わっかるー」
「まあな!」
「調子のんな半端」
「え」
うわっやばい良い話しすぎてやばい泣きそう俺泣きそう……!!
ちょっと桜宮が気になってチラッと隣を見ると思わず目を見開く
「ゔっ……ゔうぅ……っ!ヒック」
びびった。桜宮は持ってきてたのだろうハンドタオルを握り締めながらすげー号泣していた
そっとしておこう…。
映像に意識を戻すと感動のシーンが続いている。最大の泣きどころであろう、話が盛り上がった所で俺はついに涙を流した。
「ゔゔうぅっ……たろおおおっえぐっげほオエ゙っ!」
映画が終わった後も桜宮は大号泣。携帯のムービーに納めてやろうかとおもったけど後が怖いのでやめておいた。
因み俺達が見てた映画は「太郎」というタイトル。太郎という名の犬と主人のあつい絆の物語だった
「あー泣いた」
「お前は泣きすぎ」
「だって太郎がっ!思い出しただけで涙が……」
「うわああもう泣くな!」
終わった後は某ファーストフード店に移動。丁度良い時間だったのでお昼にすることにしたのだ。
「いい話だったな」
「やばかったよね。犬飼いたくなった」
など話しつつ。
「時に半田さん。半田って好きな人とかいないの?」
「は?」
「好きな人」
「あー……どうだろうな」
唐突すぎて焦った。まさか貴女ですなんて言える訳もなく、曖昧にごまかした。桜宮はじっと見てくる。な、なんだよっ見るなよっ
「でも半田に彼女とか出来たら寂しくなるなー、いじる相手いなくて」
「ヤメロ。桜宮はどうなんだよ」
「ま、まあ一応……いるかな、みたいな」
「ふーん……」
ちょっぴり頬を赤くして照れてみせる桜宮に心の中がモヤッとした。まただ。
その後もいろいろまわったりした。また現れた心のもやもやを押し込むようにひたすら楽しんだ。
「今日はいきなり誘っちゃってごめんね!」
「いいって、楽しかったから」
「そのうちまた遊ぼうね!近々部活にも差し入れとか持ってくから」
「期待してる」
「うへへ、それじゃまたね!」
「おー、またな桜宮」
桜宮を家に送り届けると俺は帰路についた。帰りにコンビニでもよっていこう。
(単純すぎる俺)
‐‐‐‐
想像してることを上手く文章にできない……。
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