01
さあ、皆大好き夏休みやってきたぞ!やったね!
とまぁ夏休み突入です。正直学校が休み、っていう点では凄く嬉しいしテンション上がる気持ちもわかる。でもそれは最初だけで……宿題というものの存在がテンションをいっきに急降下させる。
やろうやろうと思ってもやる気が出ず結局夏休み最後3日らへんから泡食って徹夜。これが俺。まさに今その状態である
それからなんといっても……桜宮に会えない事だ。
女子かっ!
「はぁぁ……」と深くため息をつき布団になだれた時、机に置いていた携帯が鳴る。曲からわかるように電話だ。
画面も見ずにダルく「もしもし……」と電話に出ると、そこから聞こえたのはよく知った人の声だった
『あっ、あの!今晩は、桜宮と申します!はんだ……っじゃなくて真一くんいますか?!』
いつもとは違い凄く緊張した様子に愛らしさと可笑しさをかんじ ぷふっ、と吹き出した
「これ俺の携帯だし!」
『えっ!?やだ、そうだったハズカシ……!』
「ぶはっ!」
『わ、わわわわ笑うな!緊張して損だったわ!』
「ひぃー!ぷくくっ!ごめん、いやぁ良いもの聞けたわ」
『うるさい半端!』
「半端ゆうな!……それで?どうしたんだよ」
『あ、そうそう明日暇?』
え?お?お??もしかして?もしかすると?なんて調子こいて自惚れみる
ちなみに明日は監督の都合で部活が休みなのだ。つまり……、
「まあ明日は何も予定ないな」
『そっかよかったぁ!親戚のおばさんから友達と見ておいで、って映画のチケットくれてさ』
半田がよかったら一緒に行かない?とのこと。さっきまで沈んでいたテンションが嘘のようにもりもりと上がっていく。
「もちろん行く行く!でも俺でいいのか?」
『半田がいいの!んじゃあ明日10時くらいに半田ん家行くね』
「いやまった、俺が迎えに行くよ」
『え?んー……じゃあおねがい!そしたら明日宜しくね!』
「おう、それじゃ」
プチ、と電話が切れる。途端に俺の体はわなわなと震えだし大きく息を吸い、
「よっっっしゃあああああああああ!!!!!!」
叫んだ。下から うるさい!!と母さんの怒る声が聞こえるけど今の俺にはもう関係ない。
跳びはねるほど嬉しいのだ。
これはもしかしなくともデート……だよな?
以前、一緒に出かけた事はあったが今回は映画ということでなんだかそれっぽく感じた。
楽しみだ楽しみだ楽しみだ!
柄にもなく明日着て行く服を一生懸命に考えた。
まるで今の俺は恋する乙女……ってばか!きもちわる。なんて一人でノリツッコミしたりとそれはそれは俺は舞い上がっていた。
明日空振らなきゃいいけどな、と頭の片隅で考えながら明日の準備を済ませる。
俺が迎えに行くんだから早く寝てしまおうと布団に潜り込んだ。
……が、寝れない。遠足前の小学生か。
くだらないことを考えいると自然と眠りに落ちていった……。
(勢いで誘っちゃったけど……迷惑とかじゃなかったか……)(てっ、ていうか今更だけどこれってデート……だよね?)(うわああああっ!)
一方桜宮の方はと言うと夜な夜な慌ただしくファッションショーが行われていた。
← →
▼ しおり